自民党の若手国会議員らが参加した会合に不適切な内容があったとして、出席した青年局の議員2人が役職を辞任しました。会合には露出の多い女性ダンサーが招かれていました。

■川畑県議「モダンダンスとかゴーゴーダンスと認識」

笑顔で写真に収まる、自民党青年局の議員たち。その中には、青年局長と局長代理の国会議員の姿もあります。問題となった“過激懇親会”が開催された日に撮影されたものです。

自民党和歌山県連 青年局長 川畑哲哉県議(46)

「(ダンサー)はコロナ禍前には、海外等からも呼ばれて招聘(しょうへい)をされて、海外とかでもダンスをパフォーマンスをされていると聞いています。我々は、モダンダンスとかゴーゴーダンスというふうに認識をしています」

去年11月に和歌山市で開催された自民党青年局の近畿ブロックの会合。参加したのは40人ほど。出席した関係者によると、突然ステージ上に女性ダンサーが登場したといいます。

懇親会に出席した男性

「いきなり音楽がかかって出てきて、お酒も入っていないし、みんな圧倒されていた。タップダンスのダンサーが来ると聞いていたので、あのようなダンサーが来るとは知らなかった」

さらに、このあと思いもしない光景が、1回目とは異なり肌の露出が増えていたのです。

懇親会に出席した男性

「ダンサーは2度登場した。衣装を着替えていた」

企画に関わったのは世耕弘成前参院幹事長の秘書を務めたことがある、川畑哲哉県議。

川畑県議

「(Q.下着のような露出の多い衣装だったことは事実?)事実です。下着というより水着に近い衣装と理解していますが」

「(Q.どういう趣向かは分かっていた?)大体想像はできていました」

そして、ダンサーはステージから降りて出席者のもとへ。その時、出席者の1人がチップを口移しで渡していたといいます。

懇親会に出席した男性

「2回も出てくるとは思っていなかったから、みんなびっくりした。お酒も入っていたから盛り上がった。政治家の集まりなのに、このようなことがあって大丈夫かと思った」

■懇親会のテーマは「多様性」

川畑県議

「(Q.口移しでチップを渡す参加者はいた?)いました」

「(Q.衣装に紙を挟んでお尻を触った人もいた?)ちょっと…詳細を聞かれると、記憶をたどってからということになります」

関係者によると、チップを用意して配ったのは川畑県議だったといいます。本人に確認しました。

川畑県議

「(Q.チップは川畑県議が用意したんですか?)微妙ですね。僕が用意したものもありますが、自分で用意した参加者もいると思います」

「(Q.チップは1万円札?1000円札?)1000円札ですよ」

川畑県議は、懇親会のテーマは「多様性」だったと釈明しました。

川畑県議

「本年度は多様性、ダイバーシティーというところをしっかりとテーマを持って、本当に口で言っているだけではなくて、いろんな生き方をされている、あるいはいろんな職業も含めて頑張られている方々に、きちっと目が行き届いているかどうか問題提起をするような、そういう会議にしようということで進めてきた。それから問題提起として、インパクトがあるかどうか。いろんな面から検討して、くだんのダンサーを招いた。ただ私の想定よりも、やっぱり高揚感が、特に懇親会終盤になって高揚感が出てしまって。私ももっと慎重に想定して選んでいればよかったと思うが、反省しているところです」

■政治家一族の中曽根氏…党改革に意欲の藤原氏も出席

川畑県議の説明に、街の人は次のように話します。

40代 会社員

「ちょっと多様性っていうのを何か履き違えていないかなっていう。解釈がちょっと違わないかなっていう印象は受けますね」

50代

「オフィシャルなパーティーで、こんなことをしていたんですか。それは…恥ずかしくないんでしょうか」

およそ2時間にわたって行われた懇親会に出席していたのは、自民党の衆議院議員・藤原崇青年局長(40)と中曽根康隆局長代理(42)。

藤原議員

「当然、主催者ではありませんので、どういう内容だということは把握しておりませんでした」

中曽根議員

「会議が終わった後の懇親会において、ゲストという形で参加をしていたわけですけれども、その時に始まったパフォーマンスというのが不適切であったと」

藤原議員

「(Q.藤原さんも中曽根さんもダンサーの体を触ったり、そういったことはされていた?)私の方は、そういうことをした記憶はありません」

中曽根議員

「私も一切ありません」

中曽根氏は、祖父に中曽根康弘元総理、父に弘文元外務大臣を持つ政治家一族。藤原氏は、青年局長として、政治資金問題への提言書をまとめ、岸田総理に提出するなど党改革に意欲を見せていた人物です。

藤原議員

「我々、自民党青年局としても、何が一番自民党の改革にとっていいのか。そして何が一番これからの日本の将来にとっていいのか。青年局として、しっかりと意見を述べていきたいというふうに思っております」

■参加の自民議員…触っていたら辞職?答えは?

藤原議員

「(Q.女性の体に触ってはいらっしゃらないという認識でよろしいでしょうか?)はい」

「(Q.万が一触っていた場合は議員辞職なさいますか?)えーっと…それについてはですね…あのー…ちょっと私の口からは今の時点では。私の今の認識は、そういう認識であるということです。今の認識では触っていない」

「(Q.触っていないというのは今の認識?)はい」

「(Q.変わる可能性はあるんでしょうか?)それは基本的にないです」

「(Q.もし触っていたら議員は辞めますか?)議員の職責については、軽々にお話をするものではないと思いますので。そこは申し訳ないですけど、お話はさせていただかないと」

「(Q.触っているんですか?)触ってないです」

「(Q.触っていないんだったら、触っていたら議員は辞めますか?)ちょっとそれはですね、私当時の記憶の中では触ってないです。それについては、そのままです。ただそれについて、今の記憶でということです。それは基本的に間違いがないと思っています。ただ万が一の時に、議員辞職ということは非常に重い話ですので、記憶違い等が万が一あった時にですね、すべてを無にする話ですので。ちょっと今の時点では、そこまでは言いませんが、触ってないという記憶、これは間違いありません。今のところ」

「(Q.記憶で触っていなければ、触っていないんじゃないでしょうか?)だと思います」

「(Q.そしたら触っていたら辞めますか?)それについては、記憶はあやふやなこともありますので。そこについては軽々に今はお話はできないけど、触っていないという記憶、これは間違いありません」

記憶の中では触っていないと、何度も繰り返した藤原氏。懇親会の2日後に更新した自身の公式SNSでは…。

藤原議員

「一昨日、ブロック会議で和歌山県にお邪魔をしました。和歌山県連青年局様の大変なご努力ご準備で充実した会議となりました」

和歌山県連の“おもてなし”に感謝の意を示していました。

しかし、今回の件を受けて、藤原青年局長と中曽根局長代理は役職を辞任することとなったのです。

藤原議員 中曽根議員

「大変申し訳ございませんでした」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2024年3月11日放送分より)