望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬(アフターピル)を医師の処方箋なしで薬局で試験販売する国の調査事業について、日本薬剤師会は29日、1月末までの約2か月間に2181件の販売実績があったと明らかにした。
販売を中止するような大きなトラブルはなかった。現在は全国145薬局で販売しているが、4月以降は追加を検討する。
緊急避妊薬は性行為から72時間以内の服用で、妊娠を約8割防げる。性暴力にあったり、避妊に失敗したりした女性が使う。
調査事業は厚生労働省が同会に委託し、昨年11月28日に始まった。購入者へのアンケート調査などを行い、薬剤師の説明だけで安全に服用できるかを確かめている。価格は7000円~9000円。購入できるのは16歳以上の女性で、16、17歳は保護者の同伴が必要になる。
都道府県別の件数は、東京都の266件が最多で、神奈川県(231件)、大阪府(169件)が続いた。10件未満も5県あった。
現場や専門家からは、都市部で販売薬局の増加を求める声が上がっている。