〈「スーパーフィジカルエリートだ!」次女毒殺の細谷志保(37)が実父に送り付けた9000字の異様な「子育て論」と「児相への呪詛」《浅草資産家夫婦次女殺し》〉から続く
2月14日、東京都台東区に住む細谷健一容疑者(43)と志保容疑者(37)夫婦が、次女の美輝ちゃん(当時4)を殺害した容疑で警視庁に逮捕された。
【画像】志保容疑者が放火した跡。真っ黒な灰が広がる
「司法解剖の結果、美輝ちゃんの体内から向精神薬オランザピンと車の不凍液に含まれる有害物質エチレングリコールが検出されています」(社会部記者)
細谷一家が暮らすマンション
浅草でホテルを経営し、資産家として知られていた夫婦だが、その周囲で不幸が立て続けに起こったのが2018年。1月に健一の母(当時68)、4月に次姉(同41)、6月に父(同73)が相次いで死亡している。
「特に、健一容疑者の次姉の死には不審な点が多く、夫妻が関わっているのではないかとして捜査が続いています」(同前)

この相次ぐ連続死の翌年3月、志保は夫婦喧嘩の末に自宅のベランダに放火して警察沙汰を起こし、一時留置されたことがある。喧嘩のきっかけは、健一が用意した志保の下着の組み合わせがちぐはぐだったという些細なトラブルだった。
だが、この騒ぎは家族に決定的な亀裂を生む。夫婦間の激烈な喧嘩が“心理的虐待”にあたるとして、美輝ちゃんを含む3人の子供は児童相談所に保護される。
一方、火事を起こした志保は警察施設に留置中、健一に宛てて手紙を書いていた。「週刊文春」は夫婦の知人からその手紙の写しを独占入手。4月3日付の手紙は、前日の2日に施設に面会に訪れていた健一への謝罪から始まる。(以下、原文ママ)
〈2日に面会に来てくれてありがとう。自分がどうでもいいと思っている誕生日を、バカにされた事があって、怒ってしまいました。パパ以外には気を使って常にしゃべっているので、突然怒ったようになってしまいました〉

4月2日は志保の誕生日だった。手紙は400字詰原稿用紙を便箋にして横書きで5枚に及ぶ。
〈面会ではなかなか話したい事を憶えていられないので手紙にします〉
児相の介入によって子供が引き離されたことや、前年に親族が相次いで亡くなったことについては半ば開き直るようにこう記している。

〈児相の件で、心理的ギャクタイと言われているので、児相とのコミュニケーションのためにも、心理的ギャクタイや児童心理の事が分かった方が色々と良いのではないかと思い、そう言う事が書いて有る本を、差し入れて欲しいです〉
〈●さん(編集部注 志保の母)が死んで、パパの両親も亡くなり、葬式ばかりやって、ののしられたりしながら1億1700万の借金をし、産婦人科で赤ちゃんを連れて行かれると毎回言われ、産んだら病室に閉じ込められ、児相に通報され、これだけあれば、精神がおかしくなっても普通だと思うのですが、ただ元々精神病だった事になっていて、仮病扱いされた事もあるし、めちゃくちゃです〉

そして最後の一文はこうだ。
〈とりあえず色々とがんばるので、パパもがんばって下さい。この手紙に反省が少ないのは、書けないからです。察してください〉
夫婦の知人は、語る。
「手紙ではしおらしい態度を見せていますが、志保さんは反省などしておらず、児相を逆恨みしていました。その不信感が理由で、生後まもなく児相に保護された美輝ちゃんへの愛情を急速に失っていったのです」
そして美輝ちゃんが亡くなったのはそれから4年後のことだった。
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(「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル)