日本の平均睡眠時間は世界の平均より36分短い――。人気ゲーム「ポケットモンスター」を手掛けるポケモン(東京都港区)が、スマートフォン向け睡眠ゲームアプリ「ポケモンスリープ」を楽しむ世界7カ国の利用者の睡眠時間を調査したところ、日本の平均睡眠時間は7カ国中で最も短いことが分かった。
【図表】利用者の睡眠時間 世界7カ国のランキング 1位は?
ポケモンスリープは無料ゲームで、アプリをダウンロードしたスマホを枕元に置くと睡眠時間や眠りの深さを計測できる。ポケモンは、3カ月以上プレーした16歳以上の利用者約15万人のデータから睡眠時間を推計した。
プレー開始後7日間の平均睡眠時間は、7カ国平均で6時間28分。このうち日本は平均より36分短い5時間52分と最も短かった。
国別ランキングは、.侫薀鵐后6時間47分)▲ぅリス(6時間40分)カナダ(6時間39分)ぅ疋ぅ帖6時間34分)ゥ▲瓮螢(6時間29分)Εぅ織螢◆6時間16分)――の順で、睡眠時間トップのフランスと日本では1時間近い差が出た。
このゲームは、利用者と似た睡眠リズムのポケモンを集めて「ポケモン寝顔図鑑」の完成を目指す。睡眠時間が長いほどたくさんのポケモンが集まってくる仕組みで、ゲームで遊ぶことで「眠ることを楽しくする」効果を期待している。
今回の調査では、プレーを継続するほど睡眠時間が長くなるという結果も出た。日本の利用者の場合、平均睡眠時間がプレー開始から1カ月で約35分、2カ月で約53分、3カ月以上では約1時間10分増加。3カ月以上プレーした人の平均睡眠時間が7時間3分に改善した。
アプリを監修した筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史機構長は「日本人もやればできるんだと思いました。ゲームのようなその人に合った動機付けによって、睡眠ウエルネス(健康)を大きく向上させる行動変容が生じる可能性を示すものです」とコメントしている。【嶋田夕子】