クッキーの壁にチョコレートの屋根、そんな子どもの夢とロマンあふれる“お菓子の城”を実際に作れるキットが発売され、即完売となった。
株式会社明治が打ち出したのは「明治 子どものころ夢に見た、お菓子でつくる大きな大きなお城キット」。その名の通り、この“城”の完成形は幅約200cm×奥行約200cm×高さ約70cmという、超巨大なもの。キットはAmazonで限定5セットで発売され、価格は27万2200円(税込)。「アーモンドチョコレート」や「たけのこの里」「果汁グミ」など、明治の定番のお菓子約9kgがぎっしり詰まった段ボール16箱分で届くという“規格外”なものだが、1月16日に発売されると即日完売した。
そのあまりのスケールにどこから作っていけばいいのか戸惑ってしまいそうだが、“城”はキットに同封されている説明書に従って「城壁」「塔」などのパーツを作ってから、それらをすべて組み合わせることで作っていくことができる。パーツは「上級・中級・初級」の3つの難易度に分かれていて、たとえば、「初級」には「アーモンドチョコレート」1箱・「マカダミアチョコレート」1箱・「板チョコ」3枚ほかいくつかの菓子を組み合わせた「アーモンドとマカダミアの庭園」がある。
ほかにも「ヤンヤンつけボー」4パック・「板チョコ」4枚などを組み合わせた「ヤンヤンつけボーの塔」は中級、「果汁グミ」13袋などで作る「グミの神殿」は上級のパーツ。これらのレシピは「あくまでも一例」として、自分でアレンジを加えて楽しむこともできるという。
このキットが発売されると、X(旧Twitter)では「良いですね~~これは夢ですわ!」「夢を具現化できるいい商品ですよね」といった声のほか、「やってみたいけど完成まで何日かかるかな?」と言う声が飛び交った。
たしかに、この巨大すぎるキットは一体どれくらいの時間をかければ作れるのだろうか。そしてすでに売り切れてしまったというキットだが、2月14日に控えるバレンタインに向けて、今からでも“お菓子の城”を作りたい人はどうしたらいいかも聞きたいところ。気になるキットについて、明治にお話を聞いてみた。――巨大すぎる「お菓子の城」を商品化した経緯は?ショコラティエの小清水氏が2022年ごろ、X(旧Twitter)にてさまざまな市販のお菓子を使って作成したお菓子の城のオーガニック投稿をされていたことから、2023年の3月頃に当社から、「バレンタインの手づくりシーンに何か面白いことを一緒にやりませんか」ということでお声がけさせていただきました。コロナ禍のバレンタインでは「お菓子づくりの自粛」といった行動も見られたので、アフターコロナのバレンタインは「みんなで集まって楽しく手づくりできるようなお菓子のコンテンツを作り上げたい」「バレンタインというハレの日や手づくりシーンを盛り上げたい」という思いが合致し、このような取り組みに至りました。今回、(小清水氏には)設計から建設、キットの監修までしていただいております。
――即日完売の大人気をどう思う?大きな反響をいただき1日で完売し、大変うれしく思います。お買い上げいただいた方がどのようなお城を作成されるのか楽しみです。SNSを確認すると「まさに子どものころの夢を大人が本気で実現した夢のキットだ」「大人の全力を出し過ぎ」といったような感想や、「お菓子の城をつくるオフ会をやらないか」「場所を貸すのでみんなでやりましょう」「会社やクラスでみんなで買おう」といったような、購買や製作チャレンジをお客様同士で誘い合う様子も見られます。また、設計・建設・監修をいただいたショコラティエの小清水氏がたけのこの里派ということもあり、“きのたけ(きのこ・たけのこ)論争”も起きています。
――ダンボール16箱にも及ぶキットの気になる中身は?(お菓子は)計39種類入っており、封入品は大きく「主要の9パーツを作成する分」「お客様自身でアレンジして、お城の残りの部分を自由に作っていただく分」「予備分」の3つに分かれています。たとえば、アポロは23サック(箱)・約759粒(アポロとリッチチョコサンドの塔、たけのこの里の塔などで使用)。たけのこの里は26サック・約780粒入っております。
――完成までにはどのくらいの時間がかかる?パティシエの小清水氏チームでは、3人で最大50時間かかりました。一般の方は、あくまで目安ですが、10人で2週間くらい、20人で1週間くらいを想定しています。複数人での作成をおすすめしています。
――すでに完売したキット、再販やこれから毎年の販売の可能性はある?本商品の増産は考えておりませんが、レシピは公式X「チョコレート大作戦」で公開しておりますので、明治のお菓子の既存販売品を使用すればチャレンジできる内容になります。こちらをプロモーションしていき、ぜひお客様には思い思いに楽しんでいただければと思っております。また、来年もチョコレートやお菓子の手づくりシーンに面白く楽しい話題を投入していければという風に考えております。
――お菓子の城を作ってみたかった!という人はどうしたらいい?X(旧Twitter)のアカウント「チョコレート大作戦」(@chocodaisakusen)で、お城キットレシピ9パーツはすべて公開しておりますので、そちらにてお楽しみ頂ければ幸いです。【お城キットレシピ9パーツ】・キュービーの城壁・アポロとリッチチョコレートサンドの塔・アーモンドとマカダミアの庭園・バナナチョコの城壁・ヤンヤンつけボーの塔・板チョコの館・ツインクルの館・たけのこの里の塔・グミの神殿
――今回のキット、購入した人にはどんな風に楽しんでほしい?複数人での製作、喫食を想定しております。例えば「クラスメイト全員で1セット買ってみんなで作って思い出作りをしてもらう」「ユーチューバーやインフルエンサーの方に自由にアレンジを加えつつ遊んでもらう」「パティシエやプラモデル好きの方に集まっていただき独自のアレンジを楽しみながら作っていただく」といったことを考えております。すべて作らなくても、1、2パーツだけ挑戦して、残りはお菓子パーティーで使ってもらう(普通に食べていただく)といったこともおすすめです。お客様の口コミでは、「このキットを作るオフ会をやりませんか?」と呼びかける様子や「製菓学校で1学級で買おう」といったものも見受けられました。
残念ながらキットの再販などは予定していないというが、実は“城”のパーツのレシピはすべてXにて公開中とのこと。キットの中身には「キット限定」のお菓子などは含まれていないため、公開中のレシピを見ながら必要なお菓子を買いそろえれば、再現が可能だという。大量のお菓子を買いにいくという手間はあるかもしれないが、自分の“実力”に合った難易度のパーツだけを選んで作ることで、完全オリジナルのお菓子の城を作れるという楽しさもあるはずだ。
また他にも、より手軽に楽しめる「明治 お菓子の家キット」も発売中とのことで、憧れの“お菓子の城”に挑戦する前に、“お菓子の家”を作ってみるのもいいかも…という人は、こちらを試してみるのもよさそうだ。バレンタインを前に、多くの人に驚きを運んだ「お菓子の城」。ぜひ子供の頃の夢を叶えたい…と思った人は、ぜひ挑戦してみてほしい。