誓約書があってもやっちゃうのか。「ラーメン山岡家」店舗で飲料水のピッチャーのフタをなめるような動画を撮影したとして男が逮捕されたが、また新たな迷惑動画がSNSで拡散している。しゃぶしゃぶ専門店「しゃぶ葉」の店舗内で従業員が悪ふざけの動画を撮影していたのだ。
動画は従業員らしき若い男性が同僚に羽交い締めにされているところに、別の人物がホイップクリームと思われるものを男性の口にムニュムニュと注いでいく内容だった。SNSではしゃぶ葉伊奈店で撮影されたものとして3日には拡散されていた。
キッチン内であることと、店のものであろうホイップクリームが使われていることにネットは騒然。SNSでは「寿司ペロから何を学んだのやら」「クリームのように世間は甘くないよ」と厳しい意見が多い。
親会社のすかいらーくホールディングスは取材に対し、「ご不快な想いやご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と利用者らに謝罪。そして、「本件は、弊社のしゃぶ葉にて撮影された動画であることを確認いたしました。2月2日の閉店後に行ったもので、閉店後に破棄予定のホイップクリームを用いたものです」と説明した。
昨年続いた迷惑動画だけでなく、過去には従業員が悪ふざけ動画や画像を撮影するバイトテロ、バカッターが相次いだ時期があった。ツイッターに衛生的に問題がある画像を投稿されたことで、閉店に追い込まれた飲食店も出たほどだった。それだけに飲食店は気を付けていたはずだった。
同社は「これまでも、食材管理に関するルールはもちろん、不適切な行為並びに投稿をしないよう、マニュアル、ルールを定め、入社時に説明のうえ誓約書を提出するなど、教育指導をしておりましたが、本件を重く受け止め、再発防止に努めてまいります」と、対策はしていたが防げなかったとした。
誓約書は対策にならないのか。労働問題に詳しい関係者は「例えば会社に内定したときに確実に入社しますと誓約書を提出したとしてもほごにして他社に行くことはできます。しかし、軽く見てもいけません。誓約書に法的効力はないのですが、裁判となれば相手は誓約書を書いたじゃないかと主張します。その内容を裁判所がどう判断するかです。内容次第では誓約書が意味のあるものとして受け取られるでしょう」と指摘した。
今回の動画について同社は事実関係を確認した上で、「法的責任追及についても検討を行ってまいります」と法的措置もあり得るとしている。
バイトテロや迷惑動画は飲食店にとっては迷惑そのものだ。一方で山岡家のケースでは逮捕された男は専門学校を退学になっているという。誰も得しない迷惑動画はもうやめよう。