岸田文雄首相(66)の施政方針演説中、腕を組み、仏頂面でうつむく茂木敏充幹事長(68)。支持率の低迷する政権を浮上させる妙案はないか、悩みの深さに思わず頭(こうべ)を垂れて――。30分以上も面を上げられずにいた茂木幹事長を案ずるFRIDAYカメラマンに、全国紙政治部記者は「居眠りしてただけでしょ」と笑いかけた。
「自身の派閥から小渕優子選対委員長(50)や、関口昌一参院会長(70)など有力者が相次いで離れていきましたから心労が絶えないんでしょうね。1月下旬に、安倍派幹部へ『けじめの付け方を考えて』と踏み込んだ発言をしたあたりから人心が離れていることに対する、『ふて寝』かもしれません」
追い打ちをかけるように、2月12日には『文春オンライン』が’21年衆院選で選挙経費を二重計上していたという疑惑を報じた。ポスト岸田の最有力と言われ、野心を隠さなかった茂木氏の悲願達成に黄信号が灯っているのだ。
「このままでは総裁選での再選の目がないので、岸田首相が早期解散・総選挙に打って出る可能性がある。そうすると再び党内人事が行われ、茂木氏は幹事長から外れるでしょう。
解散がなくても幹事長の任期は9月まで。茂木氏が影響力を保ち続けるには、総裁選出馬・当選しかないのです。しかし、推薦人が集まっても、多数派工作ができるかどうかは不明です」(ジャーナリストの鈴木哲夫氏)
当人は、果報は寝て待て――という心境なのかもしれない。
『FRIDAY』2024年3月1・8日号より