名古屋市教育委員会は11日、市立小中学校の40超の教員団体から2023年度、校長などに推薦する教員の名簿と合わせ、計200万円程度の金品を受け取っていたと発表した。20年以上前から毎年続いていた可能性があり、市教委は「(金品が人事に反映したと)疑惑を招く行為で極めて不適切だ」と陳謝。調査で実態の解明を進める。
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人事担当課「陣中見舞いとして」
市教委によると、教員人事を担当する教職員課には毎年夏ごろ、市内全16区の校長会など80以上の任意の教員団体から、次年度の校長などに推薦する教員の名簿が提出されている。その際、同課の課長らが、名簿とともに5000~3万円の現金や商品券を手渡しで受け取っていた。
授受を記録した17年度からの帳簿がパソコン上で確認され、毎年度計200万円を超える受け取りがあった。市教委の聞き取りに、教職員課の職員は「20年以上前から受け取っていた」と話しているという。同課の課長は教員出身者が歴代務め、市教委は「教員出身の役職者以外は授受を知らなかったと考えているが、確認はできていない」としている。
金品は教職員課や銀行口座で保管していた。人事の繁忙期に早朝から深夜まで業務を行う際に、菓子や栄養ドリンクの購入費に充てたほか、教員採用試験後の飲み会代などにも使われていた。激励や陣中見舞いとして受け取っていたという。
教員団体は小中の校長で組織する校長会のほか、出身大学の同窓組織や教科ごとの団体などがある。23年度は86団体から名簿が提出され、少なくとも40団体が金品を渡していた。
金品授受と人事の関連について、市教委の大坪真人総務部長は「金品により人事が変わることはないと聞いている」と影響を否定する。一方で名古屋市の河村たかし市長は「とんでもないことだ。一定のグループに入って上手にやらないと出世できん体制になっている」と述べ、影響したとの見方を示した。
市教委は今後、外部の識者も交えた調査チームを立ち上げ、23年度内に中間報告をとりまとめる方針。調査によって何らかの法令違反の可能性があれば、告発も検討するという。【酒井志帆】