横浜市で相次いでいる「車上荒らし」とみられる被害。一晩で少なくとも13件の被害が確認されており、警察は連続強盗事件として捜査を続けています。
「めざまし8」は、犯行の瞬間を捉えた防犯カメラ映像を入手。その手口が見えてきました。
9日午後10時20分頃、横浜市南区の住宅街に現れたのは、1台の黒っぽいセダン。
駐車場に面した道路に車を停車させると、中から2人の人物が降りてきました。1人は黒、もう1人は白っぽい服装で、フードをかぶり手には手袋をしているように見えます。
2人はなにやら会話を交わし、黒い服の人物が駐車場に止められている白い車を指さし、駆け寄ります。もう1人はカメラの外に走って行きました。
しばらくすると、ワゴン車の付近から「ガンガシャーン」と窓をたたいて破壊したような衝撃音が。さらに、車内を物色しているのでしょうか、車の明かりがつきました。
しかし、次の瞬間!車のライトが点滅、防犯ブザーが鳴り響きます。
2人は慌てた様子で乗ってきた車に乗り込み、走り去っていきました。わずか1分ほどの犯行。被害に遭った車の持ち主に話しを聞いてみると…。
車上荒らしの被害者:ちょうど出先から帰ってきていて、お巡りさんが来ていて「何かあったのかな」と思って見てみたら、「お宅もやられているよ」って言われて。見たらガラスがバリバリに割れて。全く心当たりがないんで、何でこんな事が起きてるんだって感じでちょっとびっくりしましたね。
――高価なものとかを車に置いたりとか?いや、特にはそんな高価なものは入れてないですね。
防犯ブザーを設置していたことで、車内にあったものは取られずにすみました。
画面外に消えていったもう1人も、同様の犯行を起こしており、近くに止めてあった別の車も窓ガラスを割られて、ダッシュボードが開いていたといいます。
午後10時40分頃には、前の現場から800m離れた場所でも、連続3件の車上荒らしが発生していました。
駐車場に入ってくる2人組、二手に分かれて互いに車の様子をうかがいます。その後、止めてあった軽自動車のバックライトが点滅すると、慌てた様子で逃げていきました。
駐車場の管理人:歯を磨いていたんですよ、もうすぐ寝るんで。そしたらブンブンブンブンって警報音が鳴ったので。どこかなと思って窓を開けてみたら、家の目の前で。警報が鳴ったんで、犯人はもう慌ててU字バーを飛び越えて2人組で逃げて行ったんですよ。
車上荒らしの被害者:(10日の)午前0時、日付変わったくらいに警察のインターホンで起きて、車上荒らしに遭っているっていう。車は運転席のガラスが割られて、なんかサンバイザーをこうパッと、こう開けられているっていう感じですね。
コインパーキングに止めてあった車の窓ガラスが割られる、月決めの駐車場の窓ガラスが割られ中にあったものが盗まれる、さらに別のコインパーキングでも車の窓ガラスが割られると、約100mのあいだで起きた3カ所の車上荒らし。
2台の車が被害に遭ったという被害者は、理不尽な犯行に怒りをあらわにします。
2台車上荒らしに遭った被害者:仕事行く時に車に行ったら、パトロールの紙がはってあって、車上荒らしに遭っていますと連絡が入って、でもう見たら粉々で。(ボックスは)開いた状態でした。(刺していたETCカードが)抜かれて。とにかくふざけるなですよね、本当に…。あとはもう早く捕まってほしい。
番組が取材した6件の被害。被害に遭った車は全て営業用の車両で、同じ駐車場に止められていた一般車両には被害がありませんでした。
また、盗まれた物もETCカード1件のみで、他の5件は窓ガラスは割られていたもののなにも盗まれていなかったといいます。
元埼玉県警捜査一課警部補の佐々木成三氏は、営業車両のみを狙った犯行について「積み荷が残されている可能性を重視した可能性」があると指摘します。唯一盗まれたETCカードについても、「高速道路以外での用途は考えられないが、使えばすぐに足がつく可能性は高い。盗む物がなくとっさに持ち出したと考えるのが妥当」であり、「防犯カメラの存在や周囲の目を一切気にしておらず、少なくともプロの犯行とは思えない」との見解を示しています。(めざまし8 2月12日放送)