2月14日、警視庁は2023年3月13日に4歳(当時)の次女・美輝(よしき)ちゃんに薬物などを摂取させ、自宅マンションで殺害した容疑で細谷志保容疑者(37)と夫の健一容疑者(43)の2名を逮捕した。全国紙社会部記者が語る。
【写真】ちいかわグッズが散乱する自宅マンションの共用スペース 容疑者夫婦逮捕の瞬間
「昨年3月13日午前、健一容疑者が『子供の様子がおかしい』と119番通報したことで事件が発覚しました。救急隊員が自宅マンションにかけつけましたが、美輝ちゃんはすでに意識がなく、その日のうちに亡くなった。事件性があると疑った警視庁が司法解剖を実施。すると、致死量にあたるエチレングリコールと向精神薬の成分が検出されたのです。前者は車の不凍液に含まれる物質で生体に入ることで有害化します。
誤飲の可能性は低いとみられ、両容疑者はなんらかの方法でこれらを美輝ちゃんに飲ませた疑いが持たれています」
警察によると健一容疑者は事件への関与を否認し、志保容疑者は黙秘しているという。前出・全国紙社会部記者が続ける。
「2019年3月にも当時生後2か月だった美輝ちゃんを含む両容疑者の子供3人が虐待を受けているとして児童相談所が保護していたこともあり、警察は事件直後から2人の犯行とみて捜査を開始。昨年8月には家宅捜査が行なわれ、度重なる任意聴取にも応じていたが、いずれも黙秘を貫いていた」
容疑者夫婦は事件現場になった浅草駅から徒歩10分ほどの距離にある10階建てマンションを所有し、最上階で生活。家賃収入だけで200万円近くあったとみられている。さらに浅草駅から徒歩2分の9階建てのホテル『浅草ホテル 旅籠』の経営者でもあり、資産家夫婦だった。2つの物件はいずれも2018年に亡くなった健一容疑者の父から相続している。マンションに住む住人がこう語る。
「オーナー(細谷容疑者一家)は10階に住んでいましたが、部屋の中はゴミ屋敷というか、物で溢れかえっていたと聞いています。部屋に収まりきらない荷物は、10階のエレベーター乗り場に乱雑に置かれていて。最上階はオーナーの部屋しかないので、誰も上がることはないのですが……ダイソンの空気清浄機などの家電や、スーパーとかで買った日用品がビニール袋に入ったまま置かれていた。
奥さんか、お子さんが『ちいかわ』が好きなようで、ちいかわグッズをかなり買っていて、部屋のなかに入りきらないものもエレベーター前に多数置かれていました」
いったい一家になにがあったのか。健一容疑者の父親と生前、長年交流があり、健一容疑者とも交流があった知人は、「お父さんは志保(容疑者)のネグレクトに頭を悩ませていた」と語る。
「倅(健一容疑者)は2009年ごろに結婚したが、志保がおかしくなったのは長男が生まれた約10年前から。生まれた直後からまったく育児ノイローゼというか、子供の面倒を見なくなり、ずっと放置していた。倅にも当たることが多くなっていたようで、子供の送り迎えはすべて倅がやっていた。(容疑者の)お父さんもかなり頭を悩ませていたのだが、一向に改善されなかったので、あるとき『別れて子供を連れて帰ってこい』と倅に強く言った。
しかし、倅は離婚を選ばず、その後、もうひとり子供(長女)が産まれた。お父さんもずっと心配していたよ。お父さんの生前は倅とも一緒にゴルフをしたりしたが、亡くなってからは交流もなくなって……3人目がいたことは報道で知って驚いた。ただただ子供達が可哀想だ」
捜査関係者によると、「容疑者一家周りには美輝ちゃん以外にも不審死している人物がいる。容疑者2人にもこの事件への取り調べを行なっている」と語る。全貌解明が待たれる。