新型コロナウイルスの無料検査事業をめぐる詐欺の疑いで逮捕されたのは、岐阜・瑞穂市の市議会議員松野貴志容疑者(49)。
医薬品卸会社を経営する松野容疑者は、無料検査場を運営していた中垣裕資容疑者らと共謀し、2022年に大阪府が実施した新型コロナの無料検査事業で、検査キットの仕入れ費用を水増し申請して、補助金およそ9億円をだまし取った疑いが持たれている。
FNNは逮捕前の容疑者4人に対し、独自取材をしていた。
記者「中垣さんですよね? 関西テレビです」
中垣容疑者は大阪市内で、およそ30の事業所を運営していたとみられる。
記者「補助金をだまし取っていませんでしたか?」中垣容疑者「…」記者「水増し申請とかしていませんでしたか?」中垣容疑者「…」
そして無料検査場運営会社の従業員が十亀綾香容疑者。
記者「補助金を詐取していませんか?」十亀容疑者「なんですか、何の話ですか? カメラをやめていただいてもいいですか」
これに対し検査所運営会社の役員佐藤大介容疑者(37)は…。
佐藤大介容疑者「不正は正直やり放題だったと思います。ただ僕はそれに溺れて不正をしようとは思ってないです」
彼らの共犯者として逮捕されたのが、市議会議員で医薬品卸会社の代表でもある松野容疑者。
松野容疑者は、検査事業に卸した抗原検査キットについて、単価を最大1,800円ほど水増しして請求し、その差額を受け取っていたとみられる。
無料検査事業の詐欺事件は全国で相次いでいるが、現職の議員が逮捕されるのは初めて。
松野容疑者は、逮捕前の取材に「検査キットの取引をしていたが、不正については一切知らないし、わたしは関与していない」と話していた。
警察は、5人の認否を明らかにしていないが、余罪についても調べる方針。