愛媛県今治市の住宅で26日、女性が殺害され、女性の次女(35)が所在不明になっていた事件で、県警は27日夜、現場から逃走していた男を同県西条市内で見つけ、次女への暴行容疑で逮捕した。
次女は同市内の別の場所で無事に保護された。殺害された女性は住人のピアノ教師冨田小雪さん(64)と判明。県警は冨田さんに対する殺人容疑でも調べる。
発表では、逮捕されたのは冨田さんの次女の知人で自称会社員の男(34)(愛媛県西条市)。男は26日午後5時20分頃、今治市松本町の冨田さん方近くの路上で、次女の体を抱え込み、腕を引っ張るなどの暴行を加えた疑い。
捜査関係者によると、防犯カメラ映像から、男はその後に次女を連れて車で逃げたとみられる。
事件は同日午後6時10分頃、冨田さん方を訪れた知人女性が「女性が首から血を流して倒れている」と110番して発覚。司法解剖の結果、冨田さんの死因は首を切られたことによる失血死だった。冨田さん方ではピアノ教室に通う男子中学生が両手を縛られた状態で見つかり、軽傷とみられる。冨田さんは次女とその子ども2人の4人暮らし。
◇ 近所の人らによると、冨田さんは社交的な人柄で、ピアノを教えるかたわら、合唱団で子どもたちを指導したり、音楽イベントの運営を手伝ったりしていた。
小中学校で同じ学年だった男性(63)は「冨田さんは昔から活発で、テレビの歌番組に出るほど歌がうまかった。世話好きで誰かに恨まれるような人ではなかった」と話した。