「国民の信頼を損ねる大変深刻な事態を招いていることについて、心よりおわびを申し上げる」
安倍派解散、政治責任は棚上げで政治資金の行方は…億単位の余剰金には「山分け」の噂が
岸田文雄首相(66)と関係閣僚が出席し、29日に開かれた「政治とカネ」の問題に関する集中審議。自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件を受け、岸田首相は冒頭、こう陳謝。政治資金に絡む問題が起きた場合、会計責任者だけでなく議員本人も連帯責任を負う連座制の導入について、「厳正な責任体制を確立する観点から党として考え方をまとめ、各党ともしっかり議論していきたい」と語った。
「私自身が先頭に立って政治改革の取り組みを必ず実行する」
与党議員の質問に対し、こう声を張り上げていた岸田首相だったが、質問が野党議員の順番に変わった途端、答弁がしどろもどろに。
立憲民主党の大西健介議員(52)は岸田派(宏池会)の元会計責任者の略式起訴を受け、会長を務めた首相の責任を追及。「総理自身が説明責任果たすべきではないのか」「宏池会を解散するとしても派閥の財産が残っている。これはどうするのか」と迫ると、岸田首相は「派閥解散」は明言したものの、財産については「具体的な手続きは決まっていない。適切に処理したい」とモゴモゴ。大西議員が「適切に処理するとは、国庫に返納するということでよいか」と再度問うと、岸田首相は「まだ決まっていない」と繰り返すばかりだった。
■誰がいくら裏金をもらい、何に使ったのか。何人がかかわったのかは今も謎
さらに大西議員が裏金問題について、「誰がいくら裏金をもらい、何に使ったのか。何人がかかわったのか」「全容把握すべきでは」と迫ったのに対し、岸田首相は「(党内で)聞き取りすべく準備している」「不確定な要素があるのでいつまでとは言えない」とノラリクラリ。真正面から答えようとしなかった。
こうした岸田首相の姿勢にSNS上では怒りの投稿が続出。
《岸田首相の答弁は不誠実。まったくやる気がない》《自民党は裏金事件を反省していないことが分かった》《そもそも政治刷新本部の中間取りまとめをする前に全容把握するべきじゃないのか》
もはや自民党に裏金事件について自浄作用を求めるのは無理ではないのか。強い権限を持った第三者委員会で調査するしかない。