石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震は8日で発生から1週間を迎える。
深刻な液状化の被害を受けた新潟市西区では、道路がゆがみ、水道管などが破壊された。住民は傾いた家屋で生活を続けながら土砂の撤去に乗り出しているが、再建の見通しは立たず、「どうすればいいのか」と途方に暮れている。(本田紗ら)
同区の男性(67)は1日夕、実家から車で帰宅する際に被災した。妻から「水が噴き出している」との電話を受け、「津波の被害に遭ったのかもしれない」と慌てて戻ると、31年間住む木造2階建ての自宅は傾き、サンルームの壁は壊れていた。
玄関付近は、水道管が破裂した影響で地面からゴボゴボと水が噴き出していた。50センチほどの土砂も積もり、自宅に入ることができなかった。駐車場に設置された止水栓を閉めようとした際、腕にかすり傷を負った。「こんなことになるとは思わなかった」。翌朝5時まで妻と2人で、水や土砂をかき出す作業を続けた。
男性は自宅で生活を続けているが、「水が使えないのが最もつらい」と訴える。下水道が使用できないため、トイレは近くの市民会館やコンビニエンスストアを、風呂は車で約15分の日帰り温泉を利用する。洗濯や飲み水などの生活用水は、友人が持ってきてくれるのが頼りだ。
男性がスマートフォンで計測すると、自宅は約3度傾いていた。傾いた住宅で生活しているため、妻や同居する次女はめまいなどの体調不良に見舞われている。
男性は、自宅の安全性を確認するため、市の「応急危険度判定」を近日中に受ける予定だ。自宅を再建するため、保険金の請求手続きなどに必要となる「罹災(りさい)証明書」や「被災届出証明書」の申請も済ませた。
だが、傾いた住宅や陥没した土地の修繕は見通しが立たない。自宅前で山積みとなった土砂を全て土のうに詰めるのは体力的に難しい。水道の管理業者からは「水道管の破裂している場所が分からないので、家を解体しなければ、水を通せない」と言われた。
男性は、「水を使えないままでは、生活の維持は厳しい。家を直すにも金がかかる。どうやって暮らせばいいのか」と疲れた表情で漏らした。