警察庁は、自転車での悪質な交通違反に対し反則金を科す「青切符」を導入する方針を固めた。街では赤信号無視や「ながらスマホ」、“抱っこ自転車”で走行する人の姿も…。話を聞くと、やむを得ず“抱っこ自転車”をしているという声もあった。
フラフラと自転車で横断歩道を渡る女性。バランスを崩して倒れそうになる瞬間も見られるが、道路交通法と各都道府県の道路交通規則で禁止されている抱っこしたままでの自転車走行、“抱っこ自転車”をしていたのだ。
取材ディレクター:こちらの女性、抱っこひもで赤ちゃんを抱えたまま自転車を走行しています
取材ディレクター:抱っこひもで赤ちゃんを連れたまま、かなり速いスピードで自転車を走行しています
こうした“抱っこ自転車”。住宅街などでは決して珍しくないのが現状だ。そうした中、警察庁は、自転車での悪質な交通違反に対し反則金を科す「青切符」を導入する方針を固めた。
取材ディレクター:赤信号を無視して、車道から歩道へと入っていきました
取材ディレクター:あちらの女性、車道から歩道へと入っていきました
反則金は5000円から1万2000円ほどとなる見込みで、信号無視や一時不停止などのほか…。
取材ディレクター:あちらの男性は自転車に乗りながらスマホを使っていますね
新たに、スマホを使いながらの「ながら運転」にも適用されるという。「青切符」の導入で、危険な自転車を減らすことが期待される。
これまで黙認状態にあった“抱っこ自転車”。しかし、専門家はその危険性をこう指摘する。
交通事故鑑定ラプター所長 中島博史氏:首が据わっていないといった状態のときというのは、頸椎(けいつい)への負担がかかったら、それを筋肉では支えられない状態ということなので、自転車に乗せるということが赤ちゃんにとって負担だと思います
また“抱っこ自転車”については、2017年以降の約6年間で、転倒や転落事故が32件発生。過去には死亡事故も起きていて、国民生活センターが注意を呼び掛けている。そうした呼びかけは“抱っこ自転車”をする人に届いていないのか。
女性(30代):いけないですよね、(違反について)知っています
“抱っこ自転車”をしている女性:(違反)知ってるんですけど、ちょっとまだおんぶできなくて(前で抱っこに)しちゃってる感じ
首が据わっていないため、おんぶすることができない生後3~4カ月の子どもを連れている女性たち。違反と知りながらも“抱っこ自転車”をしているという。さらに…。
女性(30代):ベビーカーを抱えて電車に乗るとか大変ですよね。
女性(30代):すいてるバスだったらいいけど、混んでたら「すみませーん」みたいに(ベビーカーは)場所取るから
子どもをベビーカーに乗せバスや電車を利用する際に、理解のない人たちから向けられる“白い目”。そうした周囲の反応を気にして、やむなく“抱っこ自転車”をしているという声もあった。
警察庁は、自転車の危険な走行を減らすため官民で連携し、交通安全教育を進めていく方針だ。(「イット!」12月21日放送)