埼玉県熊谷市は22日、市立吉見保育所で明らかになった不適切保育に関与した保育士が、主導した女性所長(51)と主任保育士の女性(49)のほかに4人いたと発表した。
市は所長と主任を業務から外しているが、問題の4人は引き続き担当させるとしており、保護者から疑問の声が出ている。
これまでの市の調査によると、所長らは2022年頃から0~5歳の園児19人に「バカ頭」などと暴言を吐く心理的虐待をしていたほか、今年夏頃には所長が園児の脚を平手で強くたたく暴力を振るい、身体的虐待も疑われている。
同保育所の職員は24人で、うち21人が保育士。新たに関与がわかった4人はいずれも0~1歳児クラスを担当し、所長や主任の暴言に同調するなどしていた。同クラスの園児は10人で、全員が心理的な虐待を受けていたという。
市は21日夜の保護者向け説明会でもこれらを報告したが、4人の業務継続に対しては「虐待に関与した保育士に今後も子どもを預けないといけないのか」といった意見が上がった。これに対し、市は「厳しい所長に同調せざるを得ない立場だった」(新藤守治・保育課長)としている。
所長については22年秋頃、保育士から「指導が厳しい」との相談があったが、市はこれを「職員間のトラブル」と位置づけていたといい、これまでの市の管理・監督体制も問題視されそうだ。