ダイハツ工業は26日、自動車の認証試験を巡る不正を受け、唯一稼働していた本社工場(大阪府池田市)の生産を停止した。
これにより、国内に四つある全ての自動車工場で生産が止まった。少なくとも来年1月末まで、自動車生産はできない見通しだ。
本社工場では軽自動車のオープンスポーツカー「コペン」を生産してきた。生産停止中は、設備の点検や清掃などを行うため、この日も朝から従業員らが出勤した。一部の従業員は休業するが、ダイハツはコロナ禍で稼働をやめた時と同じ水準の賃金を補償する方針を示している。
ダイハツは25日に京都工場(京都府大山崎町)と滋賀工場(滋賀県竜王町)、大分工場(大分県中津市)で生産を止めた。4工場は計27車種を生産し、2022年度の生産台数は約93万台あった。1月末までの停止により、単純計算で7万台超が生産できなくなる。
今回の生産停止で、自動車部品メーカーへの影響が懸念されている。ダイハツが直接部品を仕入れている取引先だけでも423社あり、業績や雇用維持への不安が広がる恐れがある。近畿経済産業局は26日午後、取引先向けの相談窓口を設ける。