薬物事件での逮捕者が3人出ていることなどから、学内の会議で「廃部」とする方針が示されている日本大学アメフト部。12月1日に開かれる予定の理事会で最終的な結論が出る見通しのなか、いま現役部員が思うことは…【写真を見る】【独自】「もっとアメフトがしたい」「廃部理由も伝えられてない」日大現役アメフト部員が激白、監督とも会えず…【Nスタ解説】問題視される組織の対応「今のような状態を続けていたら、日大は再生できない」日大は薬物事件を発端に、組織の対応についても問題視されました。日本大学 林真理子理事長(8月2日)「違法な薬物が見つかったとか、そういうことは一切ございません」
日本大学 沢田康弘副学長(8月8日)「あれがもし大麻だったのであれば、きちんと学生に自首させたい」大学側の対応は適切だったのか。第三者委員会は、当時の日大の対応を検証。すると、93ページに及ぶ報告書には「事実を矮小化」、「時には虚偽」といった文字が。数々の対応が不適切だと指摘したのです。第三者委員会 綿引万里子委員長(10月)「大麻は所持自体が違法ですから、預かり行為が犯罪となる可能性すらあったと考えられます」7月、アメフト部の寮から大麻とみられる植物片が見つかりますが、沢田副学長は警察に相談しないまま12日間保管。報告しなかった空白の12日間について隠蔽体質が疑われると指摘。林理事長の薬物否定発言などを含め、日大幹部に厳しい言葉を投げかけました。第三者委員会 綿引委員長(10月)「『鯛は頭から腐る』という話もありますけど、頭だけ変えりゃいいっていうものではない。今のような状態を続けていたら、日大は再生できないと思います」「大学のガバナンスが機能不全に陥っていた」と指摘した第三者委員会。これを受け、22日に行われた日大の臨時理事会では、沢田副学長と酒井学長の辞任を勧告。29日の理事会で、それぞれ辞任とする処分が決まりました。こうした中、林理事長が訴えられる事態も。訴えたのは、沢田副学長です。訴状では、林理事長から必要に辞任を求められるなどのパワハラを受けたとして、林理事長に対し1000万円の損害賠償を求めています。林理事長側は訴状が届いていないので回答を差し控えるとコメントしています。日大現役アメフト部員が激白「廃部理由も告げられていない」薬物事件での逮捕者が3人出ていることなどから、学内の会議で「廃部」とする方針が示されているアメフト部。12月1日に開かれる予定の理事会で最終的な結論が出る見通しの中、現役部員が思うことは…井上貴博キャスター「カメラの前に出るのはすごく勇気がいることだったと思うんですけど、その中で訴えたいことは?」日大 現役アメフト部員「自分たちができることってあんまりなくて。大学側にちょっとでも気持ちを伝えるために考えて、メディアを通して。薬物犯罪なので、それをチームから出してしまったのはダメなことなんですけど、それでも真剣に取り組んでいる選手たちがいるので、その人たちの気持ちをこのまま廃部にして、夢を潰してしまうのは絶対ダメだと思っていて。人生をかけてアメフトしている選手たちが、これからも続けられるように、廃部を撤回できるかわからないんですけど力になれたらなと思って」――その思いを大学関係者とか上の人に直接伝える機会っていうのはなかったんですか?「廃部が決定した後ですね。代表者が何名か伺ったんですが、ただそこでは求めるような返答といいますか、正直現段階で大学側から廃部に関して我々に理由とか、そういったものは伝えられていない状態で」――今も全くないんですか?「そうですね。理由とか、そういったものは現時点では聞かされていません」――ちなみに、監督と直接会う機会はあったんですか?「まだ。本当にここ数日間の出来事なので、そこまで話し合う機会がまだないです」ここ数日間で廃部の話が浮上したことで戸惑う中、現状へのもどかしさも感じるといいます。「シンプルにもっとアメフトがしたかったというのが一番の意見です。これからもできるのであれば、フェニックスとして練習試合に臨んでいきたいと考えています」「日本一に向けて練習できると思っていて、そのために春シーズン頑張っていて。急にこうして問題になって出来なくなって、練習できなくなるのはしょうがないんですけど、本当に悔しいです。再開できたら膿を絶対出し切るので、自分たちはアメフトをやりたい。やらせてもらえるように、ちょっとでもみんなに応援してもらって支持されるように、アメフトを1日でも早く再開して、目標に向かって練習できるように取材をお願いしました」「日大の初動対応が遅すぎた」「学生が勉強とスポーツに集中できる組織体制になってほしい」井上キャスター:ここからは日大の組織について話を進めていきます。一連の大麻事件で逮捕されている部員は3人です。8月25日の幹部会議の議事録によると、聞き取り内容の結果は6人が学生寮で大麻を使用、3人が学生寮以外の場所で大麻を使用していたということです。林真理子理事長は減給処分が決定しています。酒井学長と沢田副学長は辞任が決まっています。アメフト部の監督・コーチ、顧問などは一切、公の場に姿を現していません。そして、処分内容などについても今のところ出てきていません。これが組織としてどうなんだろうか。やはり一連の問題を見ていると、執行部同士が足の引っ張り合いをしている。そうではなくて、部全体、大学全体の構造を見直す必要があるのではないか。他の大学と日大の何が違っていて、どの部分を変えると変わっていきうるのか。ちょっと細かい部分も教えていただけますか。大学ジャーナリスト 石渡嶺司氏:他の大学であれば、学生の薬物使用の情報が出れば必ず所轄の警察署に相談します。それも薬物担当部署に。日大の場合は顧問という方が出てきて、日大OBというだけの警察官に話をした。それが何か伝言ゲームのようになって、所轄に相談したと変わって、結果何も言わなかったと。でも、他の大学は所轄の警察署に連絡した上で、場合によっては家宅捜索も受け入れます。ですから日大よりも他の大学の方が丁寧に対応している。だから結果的には日大と同じように部員の逮捕者が出たとしても、そこまで大ごとにはなってないわけです。井上キャスター:やはり初動対応が大きな違いということ?大学ジャーナリスト 石渡氏:そうですね、初動対応が日本大学、特に運動部関連についてはあまりにも遅すぎたというのが率直な感想です。ホラン千秋キャスター:沢田副学長は大麻とみられる植物片が寮から見つかったときも、「もしこれが違法薬物であるなら学生に自首をさせたい」という思いを話していて、その学生のことを思ってということなのかもしれないですけれども、日大の対応というのが一つ一つ全部裏目に出てしまっている感じがありますよね。大学ジャーナリスト 石渡氏:元検事で薬物事件に詳しかった。だから自分が捜査しているという勘違いといいますか、そういった思いだったのでしょうけれども、やはりもう検事という職を退かれて民間人なわけですから、薬物とおぼしきものが出てきた時点で、すぐにでも警察に連絡するべきだったと私は思います。慶応義塾大学 田中ウルヴェ京特任准教授:今回の問題は組織体制と、そしてそのリスクマネジメントのあり方が根本原因だと思っています。だからこそ廃部っていうのは因果関係がないと思っていて。なので、廃部というところにちょっと突飛な発想だと今回感じていることです。私自身は文理学部体育学科っていう日大の卒業生です。もちろんそのときの大げさな言い方ですが、この4年間に人生をかけてスポーツをやった人間でもあります。アメフトをし、そして勉強をしっかりするということが4年間やれること、学生がやれることです。そこにしっかり集中できるような組織体制になってほしいなというのは一番思うことです。井上キャスター:どうしても部活動が突然再開されたり、突然今回のように廃部になったり、その経緯がよくわからない。結局大人が体裁を整えるためなんじゃないか。そのためだけなんじゃないかと見えてしまうというところが根本的な原因なのかもしれません。
薬物事件での逮捕者が3人出ていることなどから、学内の会議で「廃部」とする方針が示されている日本大学アメフト部。12月1日に開かれる予定の理事会で最終的な結論が出る見通しのなか、いま現役部員が思うことは…
【写真を見る】【独自】「もっとアメフトがしたい」「廃部理由も伝えられてない」日大現役アメフト部員が激白、監督とも会えず…【Nスタ解説】問題視される組織の対応「今のような状態を続けていたら、日大は再生できない」日大は薬物事件を発端に、組織の対応についても問題視されました。日本大学 林真理子理事長(8月2日)「違法な薬物が見つかったとか、そういうことは一切ございません」
日本大学 沢田康弘副学長(8月8日)「あれがもし大麻だったのであれば、きちんと学生に自首させたい」大学側の対応は適切だったのか。第三者委員会は、当時の日大の対応を検証。すると、93ページに及ぶ報告書には「事実を矮小化」、「時には虚偽」といった文字が。数々の対応が不適切だと指摘したのです。第三者委員会 綿引万里子委員長(10月)「大麻は所持自体が違法ですから、預かり行為が犯罪となる可能性すらあったと考えられます」7月、アメフト部の寮から大麻とみられる植物片が見つかりますが、沢田副学長は警察に相談しないまま12日間保管。報告しなかった空白の12日間について隠蔽体質が疑われると指摘。林理事長の薬物否定発言などを含め、日大幹部に厳しい言葉を投げかけました。第三者委員会 綿引委員長(10月)「『鯛は頭から腐る』という話もありますけど、頭だけ変えりゃいいっていうものではない。今のような状態を続けていたら、日大は再生できないと思います」「大学のガバナンスが機能不全に陥っていた」と指摘した第三者委員会。これを受け、22日に行われた日大の臨時理事会では、沢田副学長と酒井学長の辞任を勧告。29日の理事会で、それぞれ辞任とする処分が決まりました。こうした中、林理事長が訴えられる事態も。訴えたのは、沢田副学長です。訴状では、林理事長から必要に辞任を求められるなどのパワハラを受けたとして、林理事長に対し1000万円の損害賠償を求めています。林理事長側は訴状が届いていないので回答を差し控えるとコメントしています。日大現役アメフト部員が激白「廃部理由も告げられていない」薬物事件での逮捕者が3人出ていることなどから、学内の会議で「廃部」とする方針が示されているアメフト部。12月1日に開かれる予定の理事会で最終的な結論が出る見通しの中、現役部員が思うことは…井上貴博キャスター「カメラの前に出るのはすごく勇気がいることだったと思うんですけど、その中で訴えたいことは?」日大 現役アメフト部員「自分たちができることってあんまりなくて。大学側にちょっとでも気持ちを伝えるために考えて、メディアを通して。薬物犯罪なので、それをチームから出してしまったのはダメなことなんですけど、それでも真剣に取り組んでいる選手たちがいるので、その人たちの気持ちをこのまま廃部にして、夢を潰してしまうのは絶対ダメだと思っていて。人生をかけてアメフトしている選手たちが、これからも続けられるように、廃部を撤回できるかわからないんですけど力になれたらなと思って」――その思いを大学関係者とか上の人に直接伝える機会っていうのはなかったんですか?「廃部が決定した後ですね。代表者が何名か伺ったんですが、ただそこでは求めるような返答といいますか、正直現段階で大学側から廃部に関して我々に理由とか、そういったものは伝えられていない状態で」――今も全くないんですか?「そうですね。理由とか、そういったものは現時点では聞かされていません」――ちなみに、監督と直接会う機会はあったんですか?「まだ。本当にここ数日間の出来事なので、そこまで話し合う機会がまだないです」ここ数日間で廃部の話が浮上したことで戸惑う中、現状へのもどかしさも感じるといいます。「シンプルにもっとアメフトがしたかったというのが一番の意見です。これからもできるのであれば、フェニックスとして練習試合に臨んでいきたいと考えています」「日本一に向けて練習できると思っていて、そのために春シーズン頑張っていて。急にこうして問題になって出来なくなって、練習できなくなるのはしょうがないんですけど、本当に悔しいです。再開できたら膿を絶対出し切るので、自分たちはアメフトをやりたい。やらせてもらえるように、ちょっとでもみんなに応援してもらって支持されるように、アメフトを1日でも早く再開して、目標に向かって練習できるように取材をお願いしました」「日大の初動対応が遅すぎた」「学生が勉強とスポーツに集中できる組織体制になってほしい」井上キャスター:ここからは日大の組織について話を進めていきます。一連の大麻事件で逮捕されている部員は3人です。8月25日の幹部会議の議事録によると、聞き取り内容の結果は6人が学生寮で大麻を使用、3人が学生寮以外の場所で大麻を使用していたということです。林真理子理事長は減給処分が決定しています。酒井学長と沢田副学長は辞任が決まっています。アメフト部の監督・コーチ、顧問などは一切、公の場に姿を現していません。そして、処分内容などについても今のところ出てきていません。これが組織としてどうなんだろうか。やはり一連の問題を見ていると、執行部同士が足の引っ張り合いをしている。そうではなくて、部全体、大学全体の構造を見直す必要があるのではないか。他の大学と日大の何が違っていて、どの部分を変えると変わっていきうるのか。ちょっと細かい部分も教えていただけますか。大学ジャーナリスト 石渡嶺司氏:他の大学であれば、学生の薬物使用の情報が出れば必ず所轄の警察署に相談します。それも薬物担当部署に。日大の場合は顧問という方が出てきて、日大OBというだけの警察官に話をした。それが何か伝言ゲームのようになって、所轄に相談したと変わって、結果何も言わなかったと。でも、他の大学は所轄の警察署に連絡した上で、場合によっては家宅捜索も受け入れます。ですから日大よりも他の大学の方が丁寧に対応している。だから結果的には日大と同じように部員の逮捕者が出たとしても、そこまで大ごとにはなってないわけです。井上キャスター:やはり初動対応が大きな違いということ?大学ジャーナリスト 石渡氏:そうですね、初動対応が日本大学、特に運動部関連についてはあまりにも遅すぎたというのが率直な感想です。ホラン千秋キャスター:沢田副学長は大麻とみられる植物片が寮から見つかったときも、「もしこれが違法薬物であるなら学生に自首をさせたい」という思いを話していて、その学生のことを思ってということなのかもしれないですけれども、日大の対応というのが一つ一つ全部裏目に出てしまっている感じがありますよね。大学ジャーナリスト 石渡氏:元検事で薬物事件に詳しかった。だから自分が捜査しているという勘違いといいますか、そういった思いだったのでしょうけれども、やはりもう検事という職を退かれて民間人なわけですから、薬物とおぼしきものが出てきた時点で、すぐにでも警察に連絡するべきだったと私は思います。慶応義塾大学 田中ウルヴェ京特任准教授:今回の問題は組織体制と、そしてそのリスクマネジメントのあり方が根本原因だと思っています。だからこそ廃部っていうのは因果関係がないと思っていて。なので、廃部というところにちょっと突飛な発想だと今回感じていることです。私自身は文理学部体育学科っていう日大の卒業生です。もちろんそのときの大げさな言い方ですが、この4年間に人生をかけてスポーツをやった人間でもあります。アメフトをし、そして勉強をしっかりするということが4年間やれること、学生がやれることです。そこにしっかり集中できるような組織体制になってほしいなというのは一番思うことです。井上キャスター:どうしても部活動が突然再開されたり、突然今回のように廃部になったり、その経緯がよくわからない。結局大人が体裁を整えるためなんじゃないか。そのためだけなんじゃないかと見えてしまうというところが根本的な原因なのかもしれません。
日大は薬物事件を発端に、組織の対応についても問題視されました。
日本大学 林真理子理事長(8月2日)「違法な薬物が見つかったとか、そういうことは一切ございません」
日本大学 沢田康弘副学長(8月8日)「あれがもし大麻だったのであれば、きちんと学生に自首させたい」
大学側の対応は適切だったのか。第三者委員会は、当時の日大の対応を検証。すると、93ページに及ぶ報告書には「事実を矮小化」、「時には虚偽」といった文字が。数々の対応が不適切だと指摘したのです。
第三者委員会 綿引万里子委員長(10月)「大麻は所持自体が違法ですから、預かり行為が犯罪となる可能性すらあったと考えられます」
7月、アメフト部の寮から大麻とみられる植物片が見つかりますが、沢田副学長は警察に相談しないまま12日間保管。報告しなかった空白の12日間について隠蔽体質が疑われると指摘。林理事長の薬物否定発言などを含め、日大幹部に厳しい言葉を投げかけました。
第三者委員会 綿引委員長(10月)「『鯛は頭から腐る』という話もありますけど、頭だけ変えりゃいいっていうものではない。今のような状態を続けていたら、日大は再生できないと思います」
「大学のガバナンスが機能不全に陥っていた」と指摘した第三者委員会。これを受け、22日に行われた日大の臨時理事会では、沢田副学長と酒井学長の辞任を勧告。29日の理事会で、それぞれ辞任とする処分が決まりました。
こうした中、林理事長が訴えられる事態も。訴えたのは、沢田副学長です。訴状では、林理事長から必要に辞任を求められるなどのパワハラを受けたとして、林理事長に対し1000万円の損害賠償を求めています。
林理事長側は訴状が届いていないので回答を差し控えるとコメントしています。
薬物事件での逮捕者が3人出ていることなどから、学内の会議で「廃部」とする方針が示されているアメフト部。12月1日に開かれる予定の理事会で最終的な結論が出る見通しの中、現役部員が思うことは…
井上貴博キャスター「カメラの前に出るのはすごく勇気がいることだったと思うんですけど、その中で訴えたいことは?」
日大 現役アメフト部員「自分たちができることってあんまりなくて。大学側にちょっとでも気持ちを伝えるために考えて、メディアを通して。
薬物犯罪なので、それをチームから出してしまったのはダメなことなんですけど、それでも真剣に取り組んでいる選手たちがいるので、その人たちの気持ちをこのまま廃部にして、夢を潰してしまうのは絶対ダメだと思っていて。人生をかけてアメフトしている選手たちが、これからも続けられるように、廃部を撤回できるかわからないんですけど力になれたらなと思って」
――その思いを大学関係者とか上の人に直接伝える機会っていうのはなかったんですか?
「廃部が決定した後ですね。代表者が何名か伺ったんですが、ただそこでは求めるような返答といいますか、正直現段階で大学側から廃部に関して我々に理由とか、そういったものは伝えられていない状態で」
――今も全くないんですか?
「そうですね。理由とか、そういったものは現時点では聞かされていません」
――ちなみに、監督と直接会う機会はあったんですか?
「まだ。本当にここ数日間の出来事なので、そこまで話し合う機会がまだないです」
ここ数日間で廃部の話が浮上したことで戸惑う中、現状へのもどかしさも感じるといいます。
「シンプルにもっとアメフトがしたかったというのが一番の意見です。これからもできるのであれば、フェニックスとして練習試合に臨んでいきたいと考えています」
「日本一に向けて練習できると思っていて、そのために春シーズン頑張っていて。急にこうして問題になって出来なくなって、練習できなくなるのはしょうがないんですけど、本当に悔しいです。再開できたら膿を絶対出し切るので、自分たちはアメフトをやりたい。やらせてもらえるように、ちょっとでもみんなに応援してもらって支持されるように、アメフトを1日でも早く再開して、目標に向かって練習できるように取材をお願いしました」
井上キャスター:ここからは日大の組織について話を進めていきます。
一連の大麻事件で逮捕されている部員は3人です。8月25日の幹部会議の議事録によると、聞き取り内容の結果は6人が学生寮で大麻を使用、3人が学生寮以外の場所で大麻を使用していたということです。
林真理子理事長は減給処分が決定しています。酒井学長と沢田副学長は辞任が決まっています。
アメフト部の監督・コーチ、顧問などは一切、公の場に姿を現していません。そして、処分内容などについても今のところ出てきていません。これが組織としてどうなんだろうか。やはり一連の問題を見ていると、執行部同士が足の引っ張り合いをしている。そうではなくて、部全体、大学全体の構造を見直す必要があるのではないか。
他の大学と日大の何が違っていて、どの部分を変えると変わっていきうるのか。ちょっと細かい部分も教えていただけますか。
大学ジャーナリスト 石渡嶺司氏:他の大学であれば、学生の薬物使用の情報が出れば必ず所轄の警察署に相談します。それも薬物担当部署に。
日大の場合は顧問という方が出てきて、日大OBというだけの警察官に話をした。それが何か伝言ゲームのようになって、所轄に相談したと変わって、結果何も言わなかったと。
でも、他の大学は所轄の警察署に連絡した上で、場合によっては家宅捜索も受け入れます。ですから日大よりも他の大学の方が丁寧に対応している。だから結果的には日大と同じように部員の逮捕者が出たとしても、そこまで大ごとにはなってないわけです。
井上キャスター:やはり初動対応が大きな違いということ?
大学ジャーナリスト 石渡氏:そうですね、初動対応が日本大学、特に運動部関連についてはあまりにも遅すぎたというのが率直な感想です。
ホラン千秋キャスター:沢田副学長は大麻とみられる植物片が寮から見つかったときも、「もしこれが違法薬物であるなら学生に自首をさせたい」という思いを話していて、その学生のことを思ってということなのかもしれないですけれども、日大の対応というのが一つ一つ全部裏目に出てしまっている感じがありますよね。
大学ジャーナリスト 石渡氏:元検事で薬物事件に詳しかった。だから自分が捜査しているという勘違いといいますか、そういった思いだったのでしょうけれども、やはりもう検事という職を退かれて民間人なわけですから、薬物とおぼしきものが出てきた時点で、すぐにでも警察に連絡するべきだったと私は思います。
慶応義塾大学 田中ウルヴェ京特任准教授:今回の問題は組織体制と、そしてそのリスクマネジメントのあり方が根本原因だと思っています。だからこそ廃部っていうのは因果関係がないと思っていて。なので、廃部というところにちょっと突飛な発想だと今回感じていることです。
井上キャスター:どうしても部活動が突然再開されたり、突然今回のように廃部になったり、その経緯がよくわからない。結局大人が体裁を整えるためなんじゃないか。そのためだけなんじゃないかと見えてしまうというところが根本的な原因なのかもしれません。