違法薬物事件で廃部の方針となった日大アメリカンフットボール部内で、大混乱が生じている。現役部員が本紙の取材に応じ、中村敏英監督が公の場に姿を現さないことに選手たちが不満を募らせていることを告白。さらに、麻薬取締法違反(所持)に問われた北畠成文被告(21)が初公判で、中村監督が沢田康広副学長に「見つかって良かった」と発言したことを受けて、監督本人が部員たちに釈明していたことも明らかになった。
アメフト部の廃部方針は、先月28日の競技スポーツ運営委員会で決まり、チーム全体のSNSを通じて中村監督から部員へと伝えられた。しかし、1日の理事会で複数の出席者が廃部に反対し、正式決定には至っていない。
この現状に、本紙の取材に応じた現役部員は「正直、世間的に見て、廃部の撤回は非常に厳しいけど、少しでも希望があるなら取り消してほしい。ただ、一番思っているのはもっと早期のタイミングで、中村監督が辞任を申し出ていれば、事態は早期に解明され、こんなゴタゴタにならなかったと私は考えます」と胸の内を明かした。
28日から3日までの間に、中村監督は部員に廃部についての詳しい説明をしていない。また、日大が事件発生後に2度の会見を開く一方で、アメフト部の指導陣は誰も姿を見せず牘星れ瓩鯊海韻討い襦この現状にも、部員たちは不満を募らせているという。
チームのSNSでは、学生が中村監督に対して「個人的な意見ですけど、大学側とか大学がとか言ってますけど、その前に部のこととして監督が自分たちとか保護者の前に立って話すことはないんですか? あと他にも思ってる人がいると思いますが、世間の前にもフェニックスの監督として立つことはないまま終わるんですか?」などと、指導者としての責任を追及する声も投稿されている。
そうした中、中村監督が薬物事件の牘ぺい疑惑瓩砲弔い読員たちに釈明していたことも判明した。1日に北畠被告の初公判が行われ、7月に寮で発見された違法薬物を、沢田副学長が持ち去ったことについて「中村監督が『沢田さんに見つかって良かった』と。もみ消すんだなと思って、少し安心しました」と発言して、波紋を広げている。
中村監督はチームのSNSを通じて「北畠の裁判記録から私が『沢田副学長に言えて良かったな』という発言が、『これで隠ぺいできるから良かったな』との主旨だったと報じられています。皆さんは、私がまさかそんな発言をすると信じていないと思います。私は沢田副学長が『悪いことをしたのであれば、自ら反省して自首することが今できる最善』とずっとおっしゃっていたので、『自ら申し出れて良かったな』という主旨の発言をしました」と説明しているという。
その真偽は別にして、すでに信頼を失った指揮官の言葉が、どこまで部員たちの心に届いているかは不透明。日大は6日に部員らに対する説明会を開く予定だが、指導陣の責任を巡って紛糾する可能性もありそうだ。