人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。
この記事のすべての写真を見る* * * * * * *自分が正しいと考えがちに「自己スキーマ」という考え方を知っていますか。自分自身に対して持っているイメージ……たとえば、「私は内向的だ」「私は他人思いだ」「私は潔癖症だ」など、自分の性格を自己分析して相手に伝えるときや、自分自身の行動がもたらす結果を予測するために利用されます。つまり自分を客観的に判断するためにとても重要な考え方です。

しかし、これがあまり強くなりすぎると、どんな場合でも「何が何でも自分が正しい」「相手の言っていること(やっていること)が間違っている」と考えがちになります。「シニアは頑固」というイメージがありますが、これは、年を重ねるに従って自己スキーマが強くなっていくことと関係しています。そして、自己スキーマが強くなりすぎると、友人をつくるのが難しくなります。さほど親しくもない人から、「キミの言っていることは間違っているよ」「なぜ、私の言うことを聞かないの?」などと言われたら、友人になりたくないと思うのは当然でしょう。(写真提供:photoAC)セルフチェックポイントこんなシニアにならないためには、セルフチェックが大切です。自己スキーマが強くなると、次のような特徴が見られますので、自分自身を振り返ってみてください。● 好ましい情報だけ強く記憶に残っている過去の功績や賛辞などを、ことあるたびに繰り返すようになった。「その話、以前にも聞きましたよ」などと言われたら要注意です。● 過去の出来事を自分の都合のいいように書き換える実際には自分の手柄ではないのに、いつのまにか自分の手柄にしてしまっている。「それは違う」と指摘されることが多くなった。●「~しなければならない」「~すべきだ」が口癖になったこれは、絶対的な価値基準を自分の中に置き、「私は絶対に正しいから、こうすべきなのだ」と考えているために出る言葉です。● 反論が増えたり、怒りやすくなった「なぜ自分が正しいのにわかってくれないのだろう」と感じるため、反論が多くなったり、強いストレスを受けて感情が爆発しやすくなります。自己スキーマが強くなっているとわかったら、「私は絶対に正しい」という気持ちを捨てる努力をしてみましょう。「自分は不完全な人間だ」「相手の言うことが正しいかもしれない」と考える習慣をつければ、反論されても感情的にならずにすむはずです。
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「自己スキーマ」という考え方を知っていますか。
自分自身に対して持っているイメージ……たとえば、「私は内向的だ」「私は他人思いだ」「私は潔癖症だ」など、自分の性格を自己分析して相手に伝えるときや、自分自身の行動がもたらす結果を予測するために利用されます。つまり自分を客観的に判断するためにとても重要な考え方です。
しかし、これがあまり強くなりすぎると、どんな場合でも「何が何でも自分が正しい」「相手の言っていること(やっていること)が間違っている」と考えがちになります。
「シニアは頑固」というイメージがありますが、これは、年を重ねるに従って自己スキーマが強くなっていくことと関係しています。
そして、自己スキーマが強くなりすぎると、友人をつくるのが難しくなります。さほど親しくもない人から、「キミの言っていることは間違っているよ」「なぜ、私の言うことを聞かないの?」などと言われたら、友人になりたくないと思うのは当然でしょう。
(写真提供:photoAC)
こんなシニアにならないためには、セルフチェックが大切です。自己スキーマが強くなると、次のような特徴が見られますので、自分自身を振り返ってみてください。
● 好ましい情報だけ強く記憶に残っている過去の功績や賛辞などを、ことあるたびに繰り返すようになった。「その話、以前にも聞きましたよ」などと言われたら要注意です。
● 過去の出来事を自分の都合のいいように書き換える実際には自分の手柄ではないのに、いつのまにか自分の手柄にしてしまっている。「それは違う」と指摘されることが多くなった。
●「~しなければならない」「~すべきだ」が口癖になったこれは、絶対的な価値基準を自分の中に置き、「私は絶対に正しいから、こうすべきなのだ」と考えているために出る言葉です。
● 反論が増えたり、怒りやすくなった「なぜ自分が正しいのにわかってくれないのだろう」と感じるため、反論が多くなったり、強いストレスを受けて感情が爆発しやすくなります。
自己スキーマが強くなっているとわかったら、「私は絶対に正しい」という気持ちを捨てる努力をしてみましょう。「自分は不完全な人間だ」「相手の言うことが正しいかもしれない」と考える習慣をつければ、反論されても感情的にならずにすむはずです。