京都市東山区のマンションで住人の岡田好次郎さん（８２）が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された陸上自衛隊祝園（ほうその）分屯地勤務の３等陸曹、水島千翔（ゆきと）容疑者（２１）が「大柄な男性以外を狙った」という趣旨の供述をしていることが１２日、京都府警への取材で分かった。
府警は、容疑者がマンション近くで岡田さんを見かけ、階段を上るところを追いかけて襲撃したとみて詳しい経緯を調べる。
府警によると、容疑者は大柄な男性を襲撃の対象から外した理由について、反撃される可能性があるなどと説明。岡田さんは大柄ではなく、傘をつえ代わりにして歩いていたという。容疑者は「誰でもよかった」と供述する一方、相手の体形や状況を確認しながら、襲撃の対象を選んでいた疑いがある。
事件直前の３日午後７時４０分ごろ、現場から南東に約２４０メートル離れた場所にある防犯カメラには、自宅方向へ１人で歩く岡田さんとみられる人物が写っていた。周辺では容疑者とみられる人物が後をつける様子などは確認されなかった。府警もこの映像を確認しており、容疑者の移動経路などを精査している。
逮捕容疑は３日午後７時５５分ごろ、京都市東山区のマンション２～３階の階段踊り場付近で、岡田さんの背中を刃物のようなもので複数回刺し、失血死させたとしている。容疑者は「被害者と面識はない。誰でもよかった」と供述し、容疑を認めている。