山形市は15日、障害児らが通う放課後等デイサービス施設「Harmony山形」(同市印役町)で、職員2人が子ども5人に虐待を行っていたと発表した。
このうち1人の虚偽申請によって、運営法人は市の障害児通所給付費約570万円を不正受給していた。
市は同日、不正受給について、施設を運営する一般社団法人・青葉の杜(仙台市若林区)に対し、児童福祉法に基づく6か月間の新規利用者の受け入れ停止などの行政処分を出した。
市指導監査課によると、給付費の不正受給に気づいた同法人が今年5月、市に申告。聞き取り調査を行う中で、当該職員らによる虐待も明らかになった。
虐待に関しては、職員2人が2020年8月~昨年7月、子ども5人に対し、▽竹串で突く▽正座させた上で叱りつけ失禁させる▽「うるせー」「あっちに行け」と暴言を吐く――などの身体的・心理的虐待を行っていた。
また、うち1人は21年9月~今年3月、実際には利用がないにもかかわらず、45人分の障害児通所給付費を虚偽申請した。不正受給分は法人が受け取っており、市は加算金を含めた約790万円を法人に返還させる。法人が自己申告し、返還の意思を示していることから、刑事告訴はしない方針。
当該職員は昨年7月と今年6月に退職。市は今年8月、虐待について再発防止を求める改善勧告を実施したが、公表はしなかった。市は公表しなかった理由を「施設が保護者に謝罪したことや、職員が退職したことなどから悪質性はないと判断した」とした。