海底を埋め尽くす、丸い石のような物体。その正体はゴルフボールだ。
ここは、日本有数の観光地、沖縄県の宮古島。
その美しい海に潜ると、泳いでも泳いでも、ゴルフボールは海底のいたるところに沈んでいる。
このゴルフボールを回収した若林泰介さんは「おびただしい数だったんですよね。あの海はゴルフ場がある海なんですよ、すぐ隣、崖を登ったところにコースがあるんですよ」と証言する。
動画撮影箇所の海沿いにはゴルフ場があり、そこから飛んできたボールがどんどん海にたまっている状況ではないかと推測する。
宮古島の海を守るため、11月、仲間たちと海に潜ってゴルフボールの回収を試みたという。
およそ1時間の回収作業により、袋の中はボールでぎっしり。1時間の作業で529個回収された。中には変色し、かなりの期間放置されていたと思われるボールもあった。
ボールはかごいっぱいに入っているが、それでも回収できたのは、ほんの一部だという。
若林さんはまだ海中に5000個くらいはあると話していた。
まだ海に沈んだままの大量のゴルフボール。海洋生物に詳しい専門家は、残されたボールの危険性をこう指摘する。
Ocean Life Community14宮内幸雄さん:「ある程度時間が経つと劣化するし、劣化すると同時に有害物質が流れます。海洋生物に対して、いろいろな害が生じてくるのではないかなと思います」
宮古島のゴルフボールをめぐっては、海に向かって打ち込んだ70代の男性が、廃棄物処理法違反の容疑で書類送検され、2023年4月、罰金30万円の略式命令を受けた事例もある。
宮古島の海沿いにあるゴルフ場は、FNNの取材に対し、「年に1回、清掃活動を行っていて、今後も続けていく」としている。