大きな摘発があった大久保公園周辺の「立ちんぼ」。大久保公園周辺の「立ちんぼ」たちを指す、通称『交縁界隈』は、警察の見回りなどで全盛期より大幅に数を減らした。それでも、大久保公園の周りには「立ちんぼ」が散見され、完全に消えたわけではない。
しかし、ここで摘発されて数を減らしたのは日本人の女性だ。同じエリアにいる外国人の「立ちんぼ」は、数を減らすことなく、違法売春を続けている。
交縁界隈が有名になる前から存在していた外国人「立ちんぼ」。昔は外国人の「立ちんぼ」の方が数が多く、日本人の「立ちんぼ」が、後からこのあたりにやって来たという歴史がある。
大久保公園周辺が日本人の「立ちんぼ」のエリアだとしたら、西武新宿駅側のエリアは昔から外国人が多く「立ちんぼ」をしているエリアとなっている。
今でも多くの外国人「立ちんぼ」が立っており、夜になると姿を現し、平均20人前後が客待ちをしている。大きな摘発などで大久保公園周辺が問題となった現在では、警察が見回りをしているため、その間は身を潜めているが、それでも、警察官がいなくなる21時過ぎ頃からどこからともなく現れ、路上で客引きを行っている。
警察官がいる間、「立ちんぼ」たちは、近くの喫茶店で時間を潰す。そして、定期的に警察が帰ったかどうかを一人が確認しに外にでて、パトロールが終了していた場合、他の「立ちんぼ」に連絡をする。外国人「立ちんぼ」たちは、お互いに連絡を取り、コミュニケーションをしながら、売春をしているようだ。
これは日本人の「立ちんぼ」とは少し性質が異なる。日本人の「立ちんぼ」は、SNSなどを見て、『交縁』で援助交際が流行っていると聞きつけた人が多く、基本的には1人か2人で立っている。
そのため、個人間での繋がりは薄く、交友関係も狭い。しかし、外国人たちは集団で動き、各々が周りの環境を見て、危ない状況になる前に撤収しているようだ。
また、外国人の「立ちんぼ」は、周りのレンタルルームと呼ばれる、1時間単位で借りられる、簡易的な個室を利用しているようで、頻繁に近くのレンタルルームへ出入りしていた。
警察がパトロールを終える時間になると、喫茶店や周辺のレンタルルームから外国人の「立ちんぼ」が現れ始める。
実際に、客引きをしている「立ちんぼ」に話を聞いてみると、韓国やブラジル、オーストラリアなど、さまざまな国籍の人がいるようだ。
彼女たちは、寒い時期であっても、ミニスカートなどの体のラインが出やすい服を着用して、胸元を大きく露出しているのが特徴のひとつ。
取材を申し込むために何人かに声をかけたのだが、日本語での会話ができない人が多く、「ゴム…絶対…2万円」「ホテル代込み2万」など、条件を繰り返すのみだった。
歌舞伎町の事情に詳しいAさん(40代)によると、女性のように見える外国人「立ちんぼ」だが、中には性別適合手術を受けた元男性の「立ちんぼ」もいるという。
こうした外国人売春婦は古くから存在しているため、大久保公園周辺の売春婦とは違い、警察の動きにも敏感で、摘発等を潜り抜けた猛者である。どうすれば捕まらないのかを仲間で共有しているため、摘発が難しいのだろう。
「立ちんぼ」のように、客と女性が直接やり取りすると、トラブルが起きることが多い。大きな事件が起きる前に、行政による介入が必要だ。
取材・文・PHOTO:白紙 緑