猛毒が使われた戦慄事件の容疑者が再び逮捕された。
11月22日、大阪府警捜査1課が再逮捕したのは無職の宮本一希容疑者(38)だ。すでに宮本容疑者は、知人の女子大生に劇物タリウムを接種させたとして殺人の罪で逮捕、起訴されている。
「今回の再逮捕容疑は、新型コロナ対策の助成金約1億1000万円を騙しとった疑いです。宮本容疑者は親族が代表を務めるイベント会社が、50人ほどの従業員に休業手当を支払ったとするウソの書類を労働局へ14回にわたり提出。緊急雇用安定助成金を受けとったとされます。
しかし宮本容疑者は、多額の使途不明金があるとして叔母からイベント会社の役員を解任されていました。虚偽の書類についても、叔母は宮本容疑者を激しく叱責していたことがSNSのやりとりから判明。宮本容疑者と叔母の関係は悪化していたようです。宮本容疑者は、叔母へもタリウムを飲ませたとして殺人未遂の疑いでも逮捕されました」(全国紙社会部記者)
『FRIDAYデジタル』は今年3月7日配信の記事で、宮本容疑者が女子大生を殺害したとされる事件について報じている。再録して、トラブルの経緯や犯行後の宮本容疑者の驚愕言動を振り返りたい(内容は一部変更しています)ーー。
「激しく咳き込んで体調が悪そうです」
男が女性の母親に連絡を入れたのは、’22年10月12日の朝のことだ。両親が女性の自宅マンションへ駆けつけると、意識はあったが咳が止まらない状態。救急搬送された病院で、3日後の15日に死亡が確認された。司法解剖の結果、女性の死因は毒性の強いタリウム中毒による急性呼吸窮迫症候群だった。タリウムは以前、殺鼠剤や農薬に使われていた劇物だ。
女性と一緒にいた男――。大阪府警捜査1課が3月3日に殺人の疑いで逮捕したのが、宮本容疑者だ。宮本容疑者は亡くなった立命館大学3年の女子大生Aさん(当時21)と、事件直前の昨年10月11日に京都市内の高級バーなどで飲食後、彼女の自宅マンションへ移り2人で酒を飲んでいたという。
「宮本容疑者は不動産業をはじめ、京都を訪れた観光客のために舞妓のイベントなどを手がけるビジネスをしていました。京都五花街の一つで、お茶屋も購入していたとか。Aさんは、宮本容疑者が開催するイベントのスタッフとして働いていたそうです。2人はとても仲が良く、頻繁に高級レストランで食事をしていたといいます。
宮本容疑者は地元で有名な資産家の御曹司です。自宅は京都市内の高級住宅地に建ち、ベンツなど複数の外国車が停まっていました。家族はたいへん裕福で、京都の観光業界では知らない人がいないほどのファミリーです」(観光業関係者)
一方、大阪市内の高校から立命館大へ進学し1人暮らしをしていたというAさん。漫画が好きでイラストレーターを目指していたという。
「宮本容疑者と交際していたと思っていた人も多いようでした。事件直前も、2人で飲食をした後にAさんの自宅へ。彼女の体調が急変したことに対し宮本容疑者は逮捕前の事情聴取で、こう話していたそうです。『飲酒後にAさんが咳き込んだ。薬局で薬を買って飲ませた』と。実際、防犯カメラには宮本容疑者が1人で薬局に行く姿が映っていました。
119番通報しなかった理由については、『Aさんが拒否したため』と供述。警察は、宮本容疑者がなんらかの方法でタリウムをAさんに摂取させ殺害したと判断しました。治療を遅らせ、介抱したように装ったとみられます。事件直後には、ゴルフの練習場へ行ったとの情報もあるんです」(前出・記者)
Aさんとの間でも、なんらかのトラブルが起きていたとみられる宮本容疑者。自身の都合のために、次々に劇薬を使用したのだろうか。真相は今後の裁判で明らかになるだろう。