一度は都心に住んでみたいと思った事はありませんか?都心は便利な商業施設や、交通の便などはとても整っており、憧れる人も多いかと思います。しかし都心に住むという事は、良いことばかりではなく、リスクもあるようです。
【図】購入を決めたマンションの前には…大きな更地が広がっていました都心に憧れてSさん(愛知県在住、40代、食品メーカー事務勤務)は夫(40代、区役所勤務)と息子(中学3年生)との3人で、愛知県瀬戸市に住んでいました。Sさんが住んでいた瀬戸市は、陶器などで有名な町で、とても風情があるエリアです。

しかし、名古屋ほど交通の便が整っているわけでもなく、Sさんの家から最寄りの駅まで徒歩30分かかるので、普段の生活は、車の運転が多く、運転が苦手なSさんは現在の住まいに不満を抱いていました。現在の仕事も今の家から特別近いということではなく、子どもも、高校の進学希望は名古屋の高校だったため、家族で相談して名古屋市の都心に住むことに決めました。早速、部屋探しのポータルサイトを見ていた所、都心の駅まで徒歩5分程度と好立地にあり、金額は6000万円程とローンを組んで購入する予算内でしたので内覧することにしました。当日、不動産の方と現地で待ち合わせをして部屋を見せてもらいました。外観は古いマンションだったので、綺麗とは言い難い雰囲気でしたが、部屋の中はリノベーション済みで外観とのギャップに驚きました。綺麗なリビング、食洗器付きのキッチン、ウォークインクローゼットなど部屋の中だけでもとても魅力的でした。内覧の後、マンションの周りを歩いて確認してみることにしました。マンションの近くには、綺麗な公園や商業施設、お洒落なカフェや便利なスーパーやコンビニなど今の住まいでは考えられない程、徒歩圏に全て揃っていました。ただ、一つ気になったのが、マンションのリビング側の前の敷地が更地だった所です。もしかしたら、何か建つのでは?とも思いましたが不動産屋に聞いてもまだ特に情報はないとのこと。少しそこが気になりましたが、駅も近いので車も必要ないと思い、今の悩みが全て解決すると思い購入することに決めました。住んでからの悲劇引っ越してから1年ほどは、とても快適に都心暮らしを満喫していました。そんなある日、いつも通りリビングでくつろいでいると、目の前の更地から大きな音が聞こえてきました。何の音だろうと思いベランダから見てみると、何やら工事車両がたくさん来ており、大勢の人が作業をしておりました。それから暫くして発覚したのですが、大型の新築マンションを建築中とのこと。Sさんが購入したマンションは3階ということもあり、陽当たりが悪くなるのではないかと心配しました。その悪い予感はあたってしまい、マンションが完成してみると、陽当たりがよかったリビングは、昼間には一切陽が入らなくなってしまいました。それにより、昼間はとても暖かかった部屋は、暖房なしでは過ごせないくらい寒くなってしまいました。それにより光熱費が前年よりも1万円近く上がってしまいました。物価高の影響もあるかもしれませんが、確実に暖房をつける機会が増えています。また湿気がこもりやすくなってしまい、カビなども発生しやすくなりました。もちろん、洗濯物の乾きも悪くなり、夢にまで見た都心生活は、陽ざしが入らないのでとてもどんよりしたものになってしまいました。あの時、もう少しだけでも、あの更地を怪しんでおけばよかったとSさんは語ってくれました。 ◇ ◇Sさんの様な失敗をしないためにはどうすれば良かったのでしょうか?アルファホーム名古屋株式会社でマンションコーディネーターとして、不動産仲介もされている川本麻登さんにお話を伺いしました。物件選びは慎重に 警戒して情報を集めてーーこういった失敗をしないためにもマンション探しで、気を付ける所はどこでしょうか?また、都心ではよくある事なのでしょうか?都心だけにありえる話ではもちろんないですが、このような事態が起こる確率としては都心の方が多いかもしれません。やはり大型のマンションの需要は都心の方が多いです。なので、気を付けるポイントとしては、Sさんも気づいていましたが、リビング側の窓の外に更地がないかなどは気に止めておくと良いかもしれません。また、絶対では無いのですが、古い家屋などがあるとそういった所を更地にして、マンションを立てる事が多いので、警戒して良いかもしれません。陽当たりは、住むうえではかなり重要な事ですので慎重にマンション探しは行ってくださいね。◆川本麻登(かわもと・あさと)アルファホーム名古屋株式会社 マンションコーディネーター(まいどなニュース特約・ヨシダ コウキ)
Sさん(愛知県在住、40代、食品メーカー事務勤務)は夫(40代、区役所勤務)と息子(中学3年生)との3人で、愛知県瀬戸市に住んでいました。Sさんが住んでいた瀬戸市は、陶器などで有名な町で、とても風情があるエリアです。
しかし、名古屋ほど交通の便が整っているわけでもなく、Sさんの家から最寄りの駅まで徒歩30分かかるので、普段の生活は、車の運転が多く、運転が苦手なSさんは現在の住まいに不満を抱いていました。
現在の仕事も今の家から特別近いということではなく、子どもも、高校の進学希望は名古屋の高校だったため、家族で相談して名古屋市の都心に住むことに決めました。
早速、部屋探しのポータルサイトを見ていた所、都心の駅まで徒歩5分程度と好立地にあり、金額は6000万円程とローンを組んで購入する予算内でしたので内覧することにしました。
当日、不動産の方と現地で待ち合わせをして部屋を見せてもらいました。外観は古いマンションだったので、綺麗とは言い難い雰囲気でしたが、部屋の中はリノベーション済みで外観とのギャップに驚きました。綺麗なリビング、食洗器付きのキッチン、ウォークインクローゼットなど部屋の中だけでもとても魅力的でした。
内覧の後、マンションの周りを歩いて確認してみることにしました。マンションの近くには、綺麗な公園や商業施設、お洒落なカフェや便利なスーパーやコンビニなど今の住まいでは考えられない程、徒歩圏に全て揃っていました。
ただ、一つ気になったのが、マンションのリビング側の前の敷地が更地だった所です。もしかしたら、何か建つのでは?とも思いましたが不動産屋に聞いてもまだ特に情報はないとのこと。少しそこが気になりましたが、駅も近いので車も必要ないと思い、今の悩みが全て解決すると思い購入することに決めました。
引っ越してから1年ほどは、とても快適に都心暮らしを満喫していました。
そんなある日、いつも通りリビングでくつろいでいると、目の前の更地から大きな音が聞こえてきました。何の音だろうと思いベランダから見てみると、何やら工事車両がたくさん来ており、大勢の人が作業をしておりました。それから暫くして発覚したのですが、大型の新築マンションを建築中とのこと。Sさんが購入したマンションは3階ということもあり、陽当たりが悪くなるのではないかと心配しました。
その悪い予感はあたってしまい、マンションが完成してみると、陽当たりがよかったリビングは、昼間には一切陽が入らなくなってしまいました。それにより、昼間はとても暖かかった部屋は、暖房なしでは過ごせないくらい寒くなってしまいました。
それにより光熱費が前年よりも1万円近く上がってしまいました。物価高の影響もあるかもしれませんが、確実に暖房をつける機会が増えています。また湿気がこもりやすくなってしまい、カビなども発生しやすくなりました。
もちろん、洗濯物の乾きも悪くなり、夢にまで見た都心生活は、陽ざしが入らないのでとてもどんよりしたものになってしまいました。あの時、もう少しだけでも、あの更地を怪しんでおけばよかったとSさんは語ってくれました。
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Sさんの様な失敗をしないためにはどうすれば良かったのでしょうか?
アルファホーム名古屋株式会社でマンションコーディネーターとして、不動産仲介もされている川本麻登さんにお話を伺いしました。
ーーこういった失敗をしないためにもマンション探しで、気を付ける所はどこでしょうか?また、都心ではよくある事なのでしょうか?
都心だけにありえる話ではもちろんないですが、このような事態が起こる確率としては都心の方が多いかもしれません。やはり大型のマンションの需要は都心の方が多いです。
なので、気を付けるポイントとしては、Sさんも気づいていましたが、リビング側の窓の外に更地がないかなどは気に止めておくと良いかもしれません。また、絶対では無いのですが、古い家屋などがあるとそういった所を更地にして、マンションを立てる事が多いので、警戒して良いかもしれません。
陽当たりは、住むうえではかなり重要な事ですので慎重にマンション探しは行ってくださいね。
◆川本麻登(かわもと・あさと)アルファホーム名古屋株式会社 マンションコーディネーター
(まいどなニュース特約・ヨシダ コウキ)