孫の男児=当時(3)=の頭部に暴行して死亡させたとして、傷害致死罪などに問われた祖母で介護士の寺本由美被告(48)の裁判員裁判の初公判が1日、大阪地裁(渡部市郎裁判長)で開かれた。
寺本被告は「食事の時に1回たたいたが、それ以外は暴行していない」と起訴内容を否認し、弁護側は事件性を争う姿勢を示した。
起訴状によると、令和3年7月30日午後から翌31日午前にかけて、大阪府寝屋川市の自宅で孫の豊岡琉聖翔(りせと)ちゃんの頭部に何らかの方法で暴行を加え、左硬膜下血腫などで死亡させたとされる。
検察側は冒頭陳述で、事件前から男児の父親が仕事の際には被告が預かっていたが、「たびたび暴力を振るっていた」と指摘。隣人が夜間に「ドンドン」という鈍い音を複数回聞いていることなどを踏まえ、被告が「深夜まで眠らない男児に腹を立て、暴行を加えた」とした。
一方、弁護側は「肩やをたたくことはあったが、しつけとして注意を促す程度」と反論。「幼児は夢遊病による無意識の行動がよくある」とし、転倒や転落による事故死の可能性を主張した。
被告は、飲食店で男児の頭を殴ったとする暴行罪でも起訴され、この罪については起訴内容を認めた。