医師の指示がないのに患者にヒアルロン酸を注射したなどとして、警視庁麻布署は30日、保健師助産師看護師法違反の疑いで、エステサロン経営の看護師の女(31)=東京都港区=を書類送検した。
容疑を認め、「医療行為に当たるとの疑念はあったが続けてしまった」と話している。
送検容疑は2021年12月4日~22年6月7日、港区のエステで、医師の指示がないのに、20~60代の女性患者5人に対し、しわ取りやにきびの改善に使うヒアルロン酸や、ボツリヌス菌を打つボトックスなどを頬や額に注射した疑い。
エステには医師が勤務していなかった。同法で義務付けられた医師の監督、指示がないまま、21年9月~22年8月に少なくとも14人に注射するなどし、月に約150万~180万円を売り上げていたとみられる。
21年12月に患者が同署に被害を相談。同署は女に任意で事情を聴くなどしていた。
国民生活センターによると、「あざができた」「たるみが発生した」といった美容医療の被害相談は増加傾向にある。22年に寄せられた相談は689件と、5年間で約1.6倍に増えた。