売り場にあるフロアポンプ(タイヤの空気入れ)を、客が勝手に開封して使用した――。そんな被害に遭った愛知県名古屋市の自転車屋が2023年9月26日、開業から5年ほど続けていた「空気入れ無料サービス」を終了するとX(旧ツイッター)で発表した。
同店は27日、コロナ禍以降からフロアポンプの破損や身勝手な振舞いをする利用者が多くなり、修理や販売に影響が出ていたとJ-CASTニュースの取材に明かす。サービス終了について、今回のトラブルは「きっかけに過ぎなかったと思います」と説明した。
発端となったのは、自転車の修理や販売などを行う「ちいさな自転車家」が25日、「ありえへん事件が起きました」と、同日に起こった一連の経緯をXで説明したことだ。
商品であるフロアポンプを売り場から持ち出した利用者が、包装袋を開封し使用したといい、開業から5年ほど続けていた「空気入れ無料」と「フロアポンプ貸し出し」を終了すると発表した。
今後(1)購入者(2)高齢者(3)子ども乗せ電動自転車を使う母親――に対しては、スタッフが空気を入れる予定だという。同店は「不本意ではありますが、ご理解とご協力をお願いいたします」と呼びかけた。
翌26日、「空気入れ無料サービス終了」を伝えるポスターを掲示したことも報告した。それには「身勝手な方、壊される方、売り物を開封して使用する方、こういった方が非常に増えたため終了させていただくこととなりました」と書かれている。
同店は27日の取材に、今回の件は修理業務を行っている最中に、別の利用者から「赤いポンプを使ってもいいか?」と聞かれて気付いたと振り返った。元々赤いフロアポンプは貸し出し用として使っていなかった。また、誰が開封したのかは分かっていないという。
「モラルやマナー、道徳といったのはもう無いんだな」と心中を明かし、注意喚起したいことはあるかと尋ねると、以下のように答えた。
同店は「モノを大事にする」「他人を思い遣る」といったことを今一度考え直してほしいと呼びかけている。