成人後、きょうだいとのトラブルに悩まされる事例が後を絶たない。きょうだいが巻き起こす、終わりの見えない骨肉の争いに家族は疲弊し、蝕まれる。そうした、「毒」としか言いようがないきょうだいの実態を追った。◆デキは悪いが憎めない弟だった
保坂正志さん(仮名・51歳)は、4つ下の弟に迷惑をかけられっぱなしの人生だった。
「弟は昔から約束を守らないし、とにかくだらしなかった」
デキは悪いが憎めない弟との関係は決して悪いものではなかったというが……。
◆総額500万円も「毒弟」に貸してしまい…
「いま思うと甘やかしすぎたんでしょうね。社会人になってからもすぐ電話をかけてきて『兄貴、カネがない。なんとかしてくれないか』って。
私は高校卒業後、余裕があったので総額500万円は貸してしまいました」
◆「毒弟」の前妻が実家に押しかけカネを要求
その後、弟は結婚して2人の子供をもうけ、29歳で離婚。その泥沼離婚劇に保坂さんも巻き込まれることに。
「原因は弟の不倫。慰謝料300万円と養育費を毎月10万円請求されていると泣きつかれましたが、さすがにお前が払えと断りました。
すると弟は行方不明になったんです。前妻は実家に何度も押しかけてきて私や両親に対し『カネを払え』と迫ってきました」
◆兄の結婚まで妨害する「毒弟」
婚約していた女性との関係を壊したのも弟だ。
「20代後半のとき、実家に彼女を連れていったんです。すると泥酔した弟が『兄貴の好きなところ10個言ってみろ』『そんな料理で兄貴が満足すると思ってるのか?』と彼女に高圧的に絡んで泣かせてしまった。その数日後にフラれました」
以来、恋愛には消極的になり、気づけばアラフィフに。そんななか、弟から8年ぶりに連絡がきた。
「地方で働いていて、ちゃっかり再婚し相手のお腹には赤ちゃんがいるとのことでした。出産でカネが必要だから助けてほしいと言われて絶句しましたね」
弟との悪縁はまだ続くのか。
取材・文/週刊SPA!編集部