ついに逮捕者が出てしまった。1日、中古車販売大手ビッグモーターの社員の男(29)が同業他社の男性(24)への暴行の疑いで現行犯逮捕された。
警察によると男は、先月31日の昼過ぎに、車の見積もりのため京都府南丹市の客の自宅を訪ね、鉢合わせた同業他社の男性(24)とトラブルになったという。すでに男性が買い取りの契約を終えていたにもかかわらず、男が商談を始めて口論に発展。男性がスマートフォンで撮影をすると男に肩を突き飛ばされたという。男は「スマホをつかんだだけで暴力は振るってない」と容疑を否認している。
保険金の不正請求疑惑、街路樹への除草剤疑惑などで兼重宏行社長と息子で副社長の宏一氏が辞任。和泉伸二新社長のもとで立て直しを図っている最中に社員の逮捕は最悪の事態ともいえるが、この日はビッグモーターの担当者が車を購入した客の名前を使って虚偽の保険申込書を作成し提出したことも判明した。
パワハラ、不当解雇などいびつな経営実態は、連日のように報じられている。「当初は告発をしてくれる人を探していたんですが今は元社員、現役社員とタレコミが増えているんです。告発した人が次の告発者を紹介していくという感じです」(出版関係者)
ビッグモーターでは、これまでの厳しいノルマを改善し、コンプライアンスを重視することを訴えていたが、一部報道によると先月31日には和泉社長が約束していた報酬の補填継続のために販売店1店舗あたり500万円の売り上げの上積みを求める趣旨のメールを社員に送っていたという。
同社は社員への意識調査アンケートを行っているが「会社への不信感は簡単に拭えない。週刊誌に訴える方が安心ですから、今後もタレコミは続くでしょう」(同)。
社内事情はダダ漏れ状態で、再建へのハードルは高い。