8月29日、「バブルガム・ブラザーズ」の Bro.KORN(ブラザー・コーン)さん(67)が「乳がん」と診断されたことを自身のSNSで明かしました。そこで、きょうの「知りたいッ!」は、男性の乳がんについてです。 ●1000人に1人…気づくには? ●男性も女性もセルフチェックを! 以上のポイントを中心に詳しく解説します。 ■男性の「1000人に1人」 2020年に129人が死亡というデータも 男性の“乳がん”、自分自身や身近な男性がなってもおかしくはありません。

ブラザー・コーンさんのSNSへの投稿を改めて見てみると「乳癌は男性では本当に珍しいらしく、自分でも寝耳に水でした」と語っています。 国立がん研究センターによると、男性の乳がんは女性も含めた乳がん全体の1%ほど。男性に限ると「1000人に1人」という罹患率だといいます。 厚生労働省によると、2019年には全国で男性670人が乳がんと診断され、その翌年の2020年には129人が亡くなっているというデータもあります。 ■60代から70代に多い男性の乳がん リスク因子のひとつは“女性ホルモン” 男性の乳がんには、女性とは違う特徴があるのでしょうか? 女性の乳がんが40代以降からが多いのに比べて、男性の乳がんは60代から70代に多いのが特徴です。 そして、リスクが高いのはどんな人なのでしょうか。次の2つがリスクとなります。 ◇家族歴 近親者の1人以上に乳がんの方がいる場合、リスクは「2倍」になります。 ◇女性ホルモン 男性でも体内にわずかながら女性ホルモンがあります。この女性ホルモンが「何らかの理由」で増えることでリスクが高まります。 女性ホルモンが増える理由として、「肥満」が要因になるといいます。ほかには肝硬変などの病気がきっかけで、女性ホルモンが増えることもあるといいます。 ■男性の乳がん“発見のきっかけ”は? 男性は国の「乳がん検診」の対象外 女性の場合は、40歳以上が国の「乳がん検診」の対象になっているので検診で気づくこともあります。また、自ら触って「セルフチェック」をする、そして「自覚症状」が出て気づくことがあります。 ただ、男性の場合は国の「乳がん検診」は対象外です。そのため「自覚症状」が出てから初めて気づくケースがほとんどだといいます。 ■「あること自体知らない」ため“進行した状態“で見つかることも… 具体的な自覚症状として多いのはやはり「しこり」(医学用語で腫瘤)です。ほかには「乳頭からの分泌物や出血」、かなり進行した状態のようですが「皮膚のただれ」などもあるといいます。 問題は、どうしても男性の乳がんは「あること自体を知らない」「恥ずかしい」といった理由で受診が遅れ、“進行した状態“で見つかることも多いということです。 ■きっかけは「左胸のしこり」 早期発見のブラザー・コーンさん ブラザー・コーンさんも乳がんに気づいたきっかけは「左胸のしこり」だったそうです。病院で検査を受けて、SNSに次のような投稿をアップしました。「現在のところ、乳癌の症状はステージ2で、早期発見出来たため、なんとか命には別条ないと主治医から告げられておりますのでご安心ください」 早く見つかったことはよかったと思います。 ■男性も女性もセルフチェックを! “普段の触感”を覚えておくことが大事 そこで、早期発見のために大事なポイントが「セルフチェック」です。男性もやってみましょう。国立がん研究センター中央病院腫瘍内科の米盛勧医師に教えていただきました。 セルフチェックは、お風呂に入った時や脱衣所など、自分の体を「鏡」で見られる時がいいそうです。まず、触る前に「よく見る」ことです。自分の胸を、観察してみることが大事です。観察をすることで、形やくぼみ、盛り上がりなど、いつもの自分の体と違う「変形」がないかどうかを確認しましょう。 続いて「触診」です。片手をあげて、もう片方の手で胸を触り、乳房や脇のあたりにしこりがないかを確認していきます。脇のあたりも触りましょう。脇のリンパに転移しているケースもあるので注意が必要です。同じように、反対側も触診します。 しこりがなくても、普段の触っている感覚を覚えておくことも大事です。米盛医師によると、変化に気づく意味で大事だということです。 ■「しこり」は石や種のように硬い感触 見つかったらすぐに受診を さきほどから「しこり、しこり」と言っていますが、「しこり」とはどんなものでしょうか。米盛医師によると「しこり」は「非常に硬い石のような、ゴリゴリした感触のもの」だといいます。 筋肉や脂肪とは違って、触っていてもすぐにわかる「ゴリゴリ」した、石や種に近い感触だそうです。しこりは良性のものがほとんどですが、悪性のがんの可能性もあるので、硬いものに気づいたら、すぐに受診をしてほしいということです。 悪性のものは特に、触って「わかりやすい」のだそうです。そして、痛みがない、痛みを感じにくいことが多いといいます。 ◇ 男性の乳がんについてお伝えしましたが、私たちが「まさか」と思う病気はたくさんあり、突然襲ってきます。米盛医師は、日頃から食事など生活習慣に気を配り、適度な運動もするなど、健康への意識を高めて生活することが大切だと話していました。 (2023年8月30日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)
8月29日、「バブルガム・ブラザーズ」の Bro.KORN(ブラザー・コーン)さん(67)が「乳がん」と診断されたことを自身のSNSで明かしました。そこで、きょうの「知りたいッ!」は、男性の乳がんについてです。
●1000人に1人…気づくには? ●男性も女性もセルフチェックを!
以上のポイントを中心に詳しく解説します。
男性の“乳がん”、自分自身や身近な男性がなってもおかしくはありません。
ブラザー・コーンさんのSNSへの投稿を改めて見てみると「乳癌は男性では本当に珍しいらしく、自分でも寝耳に水でした」と語っています。
国立がん研究センターによると、男性の乳がんは女性も含めた乳がん全体の1%ほど。男性に限ると「1000人に1人」という罹患率だといいます。
厚生労働省によると、2019年には全国で男性670人が乳がんと診断され、その翌年の2020年には129人が亡くなっているというデータもあります。
男性の乳がんには、女性とは違う特徴があるのでしょうか? 女性の乳がんが40代以降からが多いのに比べて、男性の乳がんは60代から70代に多いのが特徴です。
そして、リスクが高いのはどんな人なのでしょうか。次の2つがリスクとなります。
◇家族歴 近親者の1人以上に乳がんの方がいる場合、リスクは「2倍」になります。
◇女性ホルモン 男性でも体内にわずかながら女性ホルモンがあります。この女性ホルモンが「何らかの理由」で増えることでリスクが高まります。
女性ホルモンが増える理由として、「肥満」が要因になるといいます。ほかには肝硬変などの病気がきっかけで、女性ホルモンが増えることもあるといいます。
女性の場合は、40歳以上が国の「乳がん検診」の対象になっているので検診で気づくこともあります。また、自ら触って「セルフチェック」をする、そして「自覚症状」が出て気づくことがあります。
ただ、男性の場合は国の「乳がん検診」は対象外です。そのため「自覚症状」が出てから初めて気づくケースがほとんどだといいます。
具体的な自覚症状として多いのはやはり「しこり」(医学用語で腫瘤)です。ほかには「乳頭からの分泌物や出血」、かなり進行した状態のようですが「皮膚のただれ」などもあるといいます。
問題は、どうしても男性の乳がんは「あること自体を知らない」「恥ずかしい」といった理由で受診が遅れ、“進行した状態“で見つかることも多いということです。
ブラザー・コーンさんも乳がんに気づいたきっかけは「左胸のしこり」だったそうです。病院で検査を受けて、SNSに次のような投稿をアップしました。
「現在のところ、乳癌の症状はステージ2で、早期発見出来たため、なんとか命には別条ないと主治医から告げられておりますのでご安心ください」
早く見つかったことはよかったと思います。
そこで、早期発見のために大事なポイントが「セルフチェック」です。男性もやってみましょう。国立がん研究センター中央病院腫瘍内科の米盛勧医師に教えていただきました。
セルフチェックは、お風呂に入った時や脱衣所など、自分の体を「鏡」で見られる時がいいそうです。まず、触る前に「よく見る」ことです。自分の胸を、観察してみることが大事です。観察をすることで、形やくぼみ、盛り上がりなど、いつもの自分の体と違う「変形」がないかどうかを確認しましょう。
続いて「触診」です。片手をあげて、もう片方の手で胸を触り、乳房や脇のあたりにしこりがないかを確認していきます。脇のあたりも触りましょう。脇のリンパに転移しているケースもあるので注意が必要です。同じように、反対側も触診します。
しこりがなくても、普段の触っている感覚を覚えておくことも大事です。米盛医師によると、変化に気づく意味で大事だということです。
さきほどから「しこり、しこり」と言っていますが、「しこり」とはどんなものでしょうか。米盛医師によると「しこり」は「非常に硬い石のような、ゴリゴリした感触のもの」だといいます。
筋肉や脂肪とは違って、触っていてもすぐにわかる「ゴリゴリ」した、石や種に近い感触だそうです。しこりは良性のものがほとんどですが、悪性のがんの可能性もあるので、硬いものに気づいたら、すぐに受診をしてほしいということです。
悪性のものは特に、触って「わかりやすい」のだそうです。そして、痛みがない、痛みを感じにくいことが多いといいます。

男性の乳がんについてお伝えしましたが、私たちが「まさか」と思う病気はたくさんあり、突然襲ってきます。米盛医師は、日頃から食事など生活習慣に気を配り、適度な運動もするなど、健康への意識を高めて生活することが大切だと話していました。