厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)は23日、目の難病「遺伝性網膜ジストロフィー」の治療薬「ルクスターナ」の保険適用を了承し、公定価格(薬価)を4960万円とすることを決めた。
国内では、全身の筋力が低下する難病「脊髄性筋萎縮(いしゅく)症」(SMA)治療薬「ゾルゲンスマ」の1億6707万円に次ぐ2番目に高額な薬で、30日から適用される。
両目に使用するため費用は計約1億円となる。遺伝性網膜ジストロフィーは網膜の光を感じ取る機能が低下する病気。ルクスターナの対象は「RPE65」という遺伝子に異常がある患者で、半数以上が10代後半までに失明に至る。網膜下に薬を注射して、正常な遺伝子を細胞に送り込むことで治療する。
製薬大手ノバルティスファーマが製造販売する。同社は年間5人程度の使用を見込んでいる。