1800年以上の歴史を誇る日本有数の古社・生田神社(兵庫県神戸市)。「縁結びのいくたさん」として親しまれ、芸能人をはじめ多くのカップルが挙式をあげる神社だが、境内で開かれていた弓道教室において複数の女性生徒が男性指導者A氏からのセクハラを訴え、事態を重く見た生田神社側が教室を閉鎖したことがわかった。
【写真】「ハグや手は繋いだ」生田神社が配った驚きの声明文 あの大物芸能人も挙式 70代のA氏は公益財団法人全日本弓道連盟に錬士五段として登録されていて、長年、生田神社で指導者として活動。神戸市内の別の神社の弓道場でも指導を行なっていて、今年6月の時点で2つの教室で男性5名、女性21名を指導していた。セクハラを受けたという元生徒のBさんはこう語る。

「8年ほど前、弓道をやってみたいと思い、生田神社のHPから問い合わせたのが入会のきっかけです。初めて会ったA先生は親しみやすくフレンドリーなおじいちゃんという印象でした。ただ、指導を受けていくなかで全身を触ってくるようになって少しずつ違和感を覚えるようになって。指導を受けていたときは恥ずかしながら、“そういうものなんだ”と我慢していましたが、その後、自身が指導者になってからいずれも指導においてそんなことをする必要はまったくないと分かりました」 他にもA氏から身体を触られたなどという複数の女性生徒、元女性生徒から証言を聞いている。こうして元生徒や、教室関係者がこうして声を上げようと決めたのは、ある一件がある。今年2月まで生田神社の弓道教室に通っていた生徒Cさんが警察に被害届を提出したのだ。Cさんが語る。「練習中だけでなく、弓道の道具を買いにA先生と2人で車で出かけたときに車内で触られたり、ハグされたり。言葉でも『君のことを女性としてみている』と告白のようなことを言われたこともあります」 当時10代だったCさんは京都アニメーションのアニメ『ツルネ-風舞高校弓道部-』を見て、弓道を始めようと思ったという。憧れて始めた弓道だっただけに辞めたくないという思いも強く、ショックも大きい。「半年以上こうしたことが続いていて、フラッシュバックで眠れなくなり、ドラマでハグシーンなどを見るだけでも気分が悪くなるようになりました。親に心配され、相談したところ、これはセクハラだということになり、今年3月、生田警察署に被害届を提出し、受理されました。その後、神戸地検に書類送検されましたが、今年6月に不起訴処分(嫌疑不十分)という結果になってしまった」 警察に被害届を出すまでの間、Cさんは他の生徒や教室関係者に相談をしている。そのなかで他の生徒や元生徒からも「私も被害に遭った」という声が集まっていったという。前出のBさんがこう語る。「教室には社会人から中学生まで多くの女性生徒がいて、多くの女性からこうした行為を受けているという声が寄せられたため、とても見過ごせることはできないと。Cさんは当時10代で、弓道連盟にも所属していなかったので、別の人が連盟の相談窓口にメールで実情を訴えています」 生田神社側にもB、Cさんら生徒、元生徒による相談が寄せられ、6月23日に権禰宜が以下のような報告書を生徒や関係者に配布している。〈箙籠弓道会の指導を行うA氏(文面では実名)が、指導中並びに別の場所で生徒にセクシャルハラスメントを行ったとの連絡を受け、神社側でも話を伺った。当社は同会に、稽古場所として境内を貸している立場であることから、司法、または弓道連盟が下す何らかの処分を待って対応することとしていた。しかし、4月、6月に再度、被害者側からの訴えがあり、併せて他の弓道場でのやり取りを確認検討した結果、弓道連盟等の処分を待って判断するのではなく、当社として何らかの処置を講じるべきと判断した〉として、A氏の主張とCさんらの主張に食い違う点があるものの、6月28日をもって弓道教室を閉鎖とすることを決めたという内容だ。生田神社の聴取にA氏はハグや手をつないだことは認めている。 当事者のA氏はどう語るのか。自宅を訪れたが、記者が名乗ると「話すことはない」と強い口調で遮られた。 全日本弓道連盟に今回の一件の見解を聞いた。「各種のハラスメント等の防止の目的を達成するため、当連盟事務局内に相談窓口を設置し、会員からの通報相談等について対応しております。ただし、通報・相談については非公開と定められています。(中略)当連盟における通報・相談に関しましては、通報・相談の有無を含めて、相談事項の内容や調査の過程、懲戒手続の経過等についてはいずれも非公開であり、第三者に情報を開示することは出来ません。懲戒処分相当との結果が出た場合に、関連事項につき、当連盟発行の機関誌「弓道」に掲載し、公表することになります」との回答だった。
70代のA氏は公益財団法人全日本弓道連盟に錬士五段として登録されていて、長年、生田神社で指導者として活動。神戸市内の別の神社の弓道場でも指導を行なっていて、今年6月の時点で2つの教室で男性5名、女性21名を指導していた。セクハラを受けたという元生徒のBさんはこう語る。
「8年ほど前、弓道をやってみたいと思い、生田神社のHPから問い合わせたのが入会のきっかけです。初めて会ったA先生は親しみやすくフレンドリーなおじいちゃんという印象でした。ただ、指導を受けていくなかで全身を触ってくるようになって少しずつ違和感を覚えるようになって。指導を受けていたときは恥ずかしながら、“そういうものなんだ”と我慢していましたが、その後、自身が指導者になってからいずれも指導においてそんなことをする必要はまったくないと分かりました」
他にもA氏から身体を触られたなどという複数の女性生徒、元女性生徒から証言を聞いている。こうして元生徒や、教室関係者がこうして声を上げようと決めたのは、ある一件がある。今年2月まで生田神社の弓道教室に通っていた生徒Cさんが警察に被害届を提出したのだ。Cさんが語る。
「練習中だけでなく、弓道の道具を買いにA先生と2人で車で出かけたときに車内で触られたり、ハグされたり。言葉でも『君のことを女性としてみている』と告白のようなことを言われたこともあります」
当時10代だったCさんは京都アニメーションのアニメ『ツルネ-風舞高校弓道部-』を見て、弓道を始めようと思ったという。憧れて始めた弓道だっただけに辞めたくないという思いも強く、ショックも大きい。
「半年以上こうしたことが続いていて、フラッシュバックで眠れなくなり、ドラマでハグシーンなどを見るだけでも気分が悪くなるようになりました。親に心配され、相談したところ、これはセクハラだということになり、今年3月、生田警察署に被害届を提出し、受理されました。その後、神戸地検に書類送検されましたが、今年6月に不起訴処分(嫌疑不十分)という結果になってしまった」
警察に被害届を出すまでの間、Cさんは他の生徒や教室関係者に相談をしている。そのなかで他の生徒や元生徒からも「私も被害に遭った」という声が集まっていったという。前出のBさんがこう語る。
「教室には社会人から中学生まで多くの女性生徒がいて、多くの女性からこうした行為を受けているという声が寄せられたため、とても見過ごせることはできないと。Cさんは当時10代で、弓道連盟にも所属していなかったので、別の人が連盟の相談窓口にメールで実情を訴えています」
生田神社側にもB、Cさんら生徒、元生徒による相談が寄せられ、6月23日に権禰宜が以下のような報告書を生徒や関係者に配布している。
〈箙籠弓道会の指導を行うA氏(文面では実名)が、指導中並びに別の場所で生徒にセクシャルハラスメントを行ったとの連絡を受け、神社側でも話を伺った。当社は同会に、稽古場所として境内を貸している立場であることから、司法、または弓道連盟が下す何らかの処分を待って対応することとしていた。しかし、4月、6月に再度、被害者側からの訴えがあり、併せて他の弓道場でのやり取りを確認検討した結果、弓道連盟等の処分を待って判断するのではなく、当社として何らかの処置を講じるべきと判断した〉として、A氏の主張とCさんらの主張に食い違う点があるものの、6月28日をもって弓道教室を閉鎖とすることを決めたという内容だ。生田神社の聴取にA氏はハグや手をつないだことは認めている。
当事者のA氏はどう語るのか。自宅を訪れたが、記者が名乗ると「話すことはない」と強い口調で遮られた。
全日本弓道連盟に今回の一件の見解を聞いた。「各種のハラスメント等の防止の目的を達成するため、当連盟事務局内に相談窓口を設置し、会員からの通報相談等について対応しております。ただし、通報・相談については非公開と定められています。(中略)当連盟における通報・相談に関しましては、通報・相談の有無を含めて、相談事項の内容や調査の過程、懲戒手続の経過等についてはいずれも非公開であり、第三者に情報を開示することは出来ません。懲戒処分相当との結果が出た場合に、関連事項につき、当連盟発行の機関誌「弓道」に掲載し、公表することになります」との回答だった。