神戸市東灘区の「甲南医療センター」の専攻医だった高島晨伍(しんご)さん(当時26歳)が過労自殺した問題で、同センターが高島さんの死後、自己研さんに関する指針を作成していたことがわかった。
指針では、自己研さんと業務の区別について「最終的に上司の判断」としており、内部から疑問の声が上がっている。
関係者によると、高島さんが勤務していた当時、センターに自己研さんの基準を明文化したものはなかった。高島さんが亡くなった約5か月後の22年10月に、指針が示されたという。
指針は「Q&A形式」で、新しい治療法や新薬の勉強について「自己学習は自己研さん」と説明。手術の予習や振り返りは、業務時間内に行う工夫が必要とした上で、「自らが術者である手術や処置等の予習や振り返りは自己研さん」としている。このほか、上司の指示がない学習や学会発表の準備なども自己研さんとし、業務との区別は「最終的に上司が判断」と記している。
ある職員は「若手が指示と受け止めても、上司が否定すれば残業にならないことになる。治療法の勉強は欠かせず、業務にならないのは納得できない」と話している。
センターは取材に「コメントできない」としている。
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