カメラを見つめながらうなずく男。
ひき逃げにあったとうその110番通報をしたなどの疑いで逮捕された、会社員の相馬諒容疑者(30)。
犯行に及んだ理由は、「出張に行きたくない」という身勝手なものだった。
事件は2023年4月、東京・大田区にある京急蒲田駅近くで起きた。
相馬容疑者はアメリカに出張するため、会社のある青森県から東京に来て宿泊したのち、翌朝、羽田空港に向かっていた。
しかしその途中、事故に遭っていないにもかかわらず、「原付バイクにひき逃げされた」と、うその110番通報をしたとみられている。
警視庁によると、相馬容疑者は現場で警察官が状況を聞いた際、事故を起こした車両について「黒いスクーターに当て逃げされた。半キャップのヘルメットをかぶっていた」と説明したという。
相馬容疑者に目立った外傷は確認できなかったものの、足を引きずり、「痛い痛い」と訴えていたという。
その後、病院に搬送された相馬容疑者は全治10日の打撲と診断され、出張には行かなかった。
また、相馬容疑者は捜査のために警察署を訪れた際に支払われる日当など、1万429円を受け取っていた。
ところが、捜査員が周辺の防犯カメラなどを調べた結果、該当するバイクの通行が確認できなかった。
そのため、警視庁に対する偽計業務妨害と詐欺の疑いで逮捕となった。
核燃料サイクルなどを扱う日本原燃に勤める、相馬容疑者。
動機について「出張に行きたくなかったので、うその110番通報した」と供述しているという。
拒んだ理由については、「出張内容が自分の仕事とは違うから嫌だった」という趣旨の話をしているという。