札幌・すすきののホテル客室で、首を切断された男性の遺体が見つかった事件からきょうで1か月です。
この事件では親子3人が逮捕・送検されていますが、猟奇的な犯行とともに家族ぐるみの計画性の高さなどが明らかになってきました。
「先月2日(日)札幌・すすきの」
(森永記者)「現場にブルーシートがかけられました。白い防護服を着た捜査員の姿も見られます」
ホテル客室から遺体で見つかった恵庭市の62歳男性。
首は刃物のようなもので切られていて頭部がない状態でした。
現場は繁華街の一角でホテルなどが立ち並ぶエリア。
男性は部屋の浴室で殺害されたとみられています。
死因は出血性ショックで、体には致命傷とみられる刺し傷がありましたが、身を守る際にできる防御創はなかったということです。
道警は捜査本部を設置。
240人態勢で行方を追っていたのは、ホテルの防犯カメラに映っていた男性と一緒に入室する人物の存在です。
そして、事態が急変したのは遺体が見つかってからおよそ3週間後。
(札幌・中央警察署 菊地健司署長)「本日、被疑者2人を逮捕したので発表します。田村瑠奈29歳、田村修59歳」
(石黒記者)「田村瑠奈容疑者の身柄が道警本部に移送されます」
死体遺棄などの疑いで逮捕されたのは、娘の田村瑠奈容疑者と父親の修容疑者。
翌日には母親の浩子容疑者も逮捕されました。
3人は共謀して、先月1日から2日にかけ、札幌市中央区のホテル客室で、恵庭市に住む62歳の男性の首を切断し、頭部を持ち去ったなどの疑いが持たれています。
驚愕の一家全員の逮捕。
その後の家宅捜索で、3人の自宅からは男性の頭部や所持品などが見つかりました。
あまりにも猟奇的で残忍な事件の裏側に見えてきた3人の役割とはー
「娘が切断か」
男性と一緒にホテルに入室し、首を切断したとみられるのは娘の瑠奈容疑者。
男性とはことし5月から6月にすすきのの飲食店で会っていて、2人の間にはトラブルがあったことがわかっています。
そして父親の修容疑者はー
「送迎役の可能性」
これは事件直後に修容疑者が運転していたとみられるホテル近くの防犯カメラの映像。
娘の瑠奈容疑者を送り迎えしていた可能性が浮上しているのです。
さらに2人は、事件当日の未明までに犯行に使ったとみられる「のこぎり」や「ナイフ」を購入していました。
犯行に加担していたようにもみえる修容疑者の行動。
その一方で、平然を装うためなのか事件後も通常通りに勤務先の病院で勤務していたことが、関係者への取材で新たに分かりました。
そして、母親の浩子容疑者についても計画段階から犯行を認識していたとみられています。
事件から1か月。
家族ぐるみの計画性の高さが少しずつ見えてきたこの事件。
警察は、瑠奈容疑者がホテル内で男性を殺害した殺人の疑いも視野に動機などを慎重に捜査するとともに、親子3人の役割についても調べています。