いよいよ夏本番。今年も猛暑が心配されるほど暑い日が続きそうな日本列島ですが、夏といえば海水浴。大海原を眺めながら忙しい日常から解放される至福の時間ではないでしょうか。今回は、そんな海水浴を楽しむカップルに襲いかかった仰天エピソードを紹介します。◆誰にも教えたくない海水浴場
「遠浅でサラサラした砂が特徴なんです。プライベートビーチ?と疑うほど海水浴客が少ないんですよ!最初のうちは立ち入り禁止区域かと思ったほどです」
少し興奮気味で語ってくれた清人さん(仮名・34歳)。お互いの親公認で来年結婚することになっている彼女の凛子さん(仮名・29歳)と付き合い始めてから毎年訪れているそうです。
「その海水浴場は日本海にあるんです。湘南とか太平洋のビーチとは全く違い、とにかく海が青いんです。人が少ないせいか、なんとなくのどかな雰囲気で、日頃の疲れやストレスが吹っ飛んでとっても癒されるんです。都内からはかなり遠いのですが、ここ数年はここ一択ですかね。だから、僕は絶対にSNSに載せたりはしません。人が増えたら困りますから……」
年々少しずつ訪れる人は増えているとのことですが、それでも他の海水浴場と比べると優雅な時間が過ごせる最高のビーチだそうです。
◆隣のカップルを真似て彼女を埋めてみた
例年のように午前中はパラソルの下でゆっくり過ごし、少し人が増え始めた午後から遠浅の海で仰向けになりながらゆっくり過ごしたそうです。ただ、今年は少しチャレンジをした2人。
「近くのカップルがいきなり彼女を砂浜に埋め始めたんです。それを見ていた凛子が耳元で『私もやりたい』と言うので、僕はしばらくその様子を観察していました。この辺の砂は結構サラサラでスコップなしでも掘れそうなので挑戦することにしました」
清人さんは汗だくになりながら一生懸命掘り進め、20分程度で砂浜に棺桶のような穴が誕生したのだとか。
「意外と立派な穴が掘れたんですよ。自慢げに作品を凛子に見せると、彼女は『ヤッター!』と少女のような声を上げて中に入り、そこへ掘り出した砂をまた元通りに埋めていき、最終的には彼女の首が出る程度になりました」
◆ビーチに響き渡る悲鳴と1匹の犬
「凛子がビールを飲みたいと言うので、1人にするのは少し心配でしたが、ビーチに1軒だけある海の家に買いに行ったんです。すぐに戻ろうと思ったのですが、昼時だからなのか焼きそばのイイ匂いがしたので、それも買うことにしたんです。ちょうど調理中で5分くらい待ちましたかね」
清人さんは彼女のいる場所へ足早に戻ったそうです。その途中、何やら悲鳴らしき声が聞こえてきたと言います。「ギャーっ、やめてー! 清人ー、早くきてー!」。
「びっくりしてすぐに走って行ったんですが、なんとリードを付けていないビーグル犬が凛子の顔の辺りでうろちょろしていたんです。そして次の瞬間、その犬は彼女の顔めがけてオシッコをし始めたんです。僕はとっさに『コラー!!』と叫んだのですが、時既に遅しでした」
清人さんが近くにあったサンダルを投げつけ、ようやくその犬は去っていったといいます。凛子さんは半泣きで放心状態だったそうです。
◆飼い主が謝罪するも後味の悪い思い出に
騒ぎを聞きつけたのか、しばらくして飼い主らしき男性が清人さんのほうに駆け寄ってきて謝罪したと言います。
「謝られても凛子の顔をオシッコまみれにされ、それにあんな犬を放し飼いにしておくほうもどうかと思いますよ。とにかく飼い主と話す暇もなく、彼女を掘り起こし、海の家のシャワールームへ連れて行きました。人気の少ないビーチとはいえ、かなりの人の視線を感じ、恥ずかしいやら腹立たしいやらで、もう踏んだり蹴ったりでした」
その後、清人さんは駐車場まで凛子さんを連れていき、自分はビーチの後片付けをしたそうです。
「せっかく開拓した僕たちのお気に入りビーチだったのですが、来年はパスでしょうね。というか、海水浴がトラウマになってしまっているかもしれません。残念ですが」
楽しいはずの海水浴が、なんとも後味の悪い思い出になってしまった2人。今回はビーチでのアクシデントでしたが、普段から何事にも油断をせず、もしものことを考えて行動することが良いかもしれませんね。
<TEXT/ベルクちゃん>