ジャニー喜多川氏による性加害を複数の元所属タレントが訴えている問題で、当事者に聞き取りをした国連の人権理事会の専門家が会見を開き、「数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれる憂慮すべき疑惑が明らかになった」などと指摘しました。
都内で会見を開いたのは、国連人権理事会の専門家2人です。国連の専門家2人は、元ジャニーズJr.の複数の男性らがジャニー喜多川氏による性加害を訴えたことを受け、先月24日に来日し、聞き取りをするなど調査をしていました。
国連人権理事会専門家イェオパントン氏「ジャニーズ事務所のタレントが絡むセクシャルハラスメント被害者との面談では、タレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」
ジャニーズ事務所は外部の専門家による“再発防止特別チーム”を作っていますが、その“特別チーム”による調査に懸念を示しました。
国連人権理事会専門家イェオパントン氏「ジャニーズ事務所の特別チームによる調査に、透明性と正当性に疑問が残っている。ジャニーズ事務所のメンタルケア相談室による相談希望の被害者への対応は、不十分との報告がある」
また専門家は、この問題を報道してこなかった“メディアの責任”についても、「不祥事のもみ消しに荷担したと伝えられています」などと言及しました。
国連が専門家を派遣して性加害を訴える当事者に直接聞き取りをするのは異例で、調査の結果は来年6月、国連人権理事会に報告されることになります。
記者「いま当事者の会のメンバーの方が、会場に到着しました」
午後2時ごろ、国連側の会見に先立ち続々と会場入りしていたのは、元所属タレントで「ジャニーズ性加害問題当事者の会」のメンバー7人です。国連の専門家らのあと、同じ会場で会見に臨むため、別室でその発言に耳を傾けていました。
会見が始まって1時間あまり、一連の問題に話が及ぶと…
石丸志門副代表(55)「ここからだ。35年かかったな」
彼らは皆、先月、国連の専門家から聞き取りを受け、性加害について改めて、「心の殺人だ」と訴えていました。
当事者の会二本樹顕理さん(39)「ジャニーズ事務所を名指しで、かなり強く切り込んでくださったので、(何かしらの対応)そこに期待していきたいと思います。非常に心が動かされました」
「当事者の会」の会見は午後5時、まもなく始まる予定です。