東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に反発を強めている中国側の動向を巡り、観光庁が日本政府観光局を通じて現地の旅行業者に訪日旅行への影響を聞き取り調査したところ、ツアーのキャンセル申し込みが一部で生じていることが29日、分かった。
斉藤鉄夫国土交通相が同日の閣議後記者会見で明らかにした。
聞き取り調査では、キャンセルの申し込みや日本での飲食を懸念する問い合わせを顧客から受けたという回答が、一部の旅行業者から28日までにあった。ただ、問い合わせは業者によってはゼロのケースもあり、件数は多くないという。斉藤氏は「予断を持たず、引き続き中国からの旅行客の動向に注視する」と述べた。
処理水の海洋放出を巡っては、放出とは関係がない日本国内の個人や団体に中国から迷惑電話が相次いでいる。