7月23日、夏の強い日差しの中、安倍晋三元総理(享年67)の遺骨が地元山口県長門市にある安倍家の墓所に納められた。安倍元総理が凶弾に倒れてから1年。ずっと手元にあった遺骨をついに手放した安倍昭恵さん(61)。最近はようやく笑顔も戻ってきた様子だという。
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【写真を見る】安倍家の墓所で、去りがたい表情を見せる昭恵さん 午前11時ごろから営まれた納骨式には、昭恵さんや安倍氏の甥にあたる岸信千世衆議院議員(32)、後継の吉田真次衆議院議員(39)など、関係者約120人が参列した。
午後には「偲(しの)ぶ会」も開かれ、参列した支援者およそ300人が、遺影が掲げられた献花台に花を供えた。「偲ぶ会」の様子 当初は、東京と山口の2カ所に分骨することも検討されていたが、東京に適当な寺が見つからず、山口での納骨となった。 つまり、昭恵さんが暮らす東京には安倍元総理を偲ぶ墓所はない。 寂しさもあるだろうが、この1年、昭恵さんは涙を流しながら、今一度の別離に向けて少しずつ気持ちを整理してきたのではないか。昭恵さんが語った安倍元総理のエピソード 思えば昨年9月の国葬の時も、同じく10月に営まれた県民葬の時も、野田佳彦元総理(66)による追悼演説を国会議場内で遺影を抱えて聞き入った時も、安倍元総理との「お別れの節目」では、昭恵さんの目にはいつも涙が浮かんでいた。 しかしこの日の昭恵さんは、1年という時を経て、すこし心の整理が進んだのだろうか、時折、笑顔も見せていた。 昭恵さんは、偲ぶ会で「主人は『至誠』という言葉を大切にしてきた」と語った。「至誠」とは、「誠の心は必ずや、相手に通じる」の意で、孟子から引いた言葉である。 昨年4月、安倍元総理が書き残した最後の「墨書」でもあり、額装されたその書は山口・萩の松陰神社の宝物殿至誠館に展示されている。 安倍元総理に捧げた昭恵さんの「至誠」もまた故人に十分に届いているに違いない。撮影・本田武士「週刊新潮」2023年8月3日号 掲載
午前11時ごろから営まれた納骨式には、昭恵さんや安倍氏の甥にあたる岸信千世衆議院議員(32)、後継の吉田真次衆議院議員(39)など、関係者約120人が参列した。
午後には「偲(しの)ぶ会」も開かれ、参列した支援者およそ300人が、遺影が掲げられた献花台に花を供えた。
当初は、東京と山口の2カ所に分骨することも検討されていたが、東京に適当な寺が見つからず、山口での納骨となった。
つまり、昭恵さんが暮らす東京には安倍元総理を偲ぶ墓所はない。
寂しさもあるだろうが、この1年、昭恵さんは涙を流しながら、今一度の別離に向けて少しずつ気持ちを整理してきたのではないか。
思えば昨年9月の国葬の時も、同じく10月に営まれた県民葬の時も、野田佳彦元総理(66)による追悼演説を国会議場内で遺影を抱えて聞き入った時も、安倍元総理との「お別れの節目」では、昭恵さんの目にはいつも涙が浮かんでいた。
しかしこの日の昭恵さんは、1年という時を経て、すこし心の整理が進んだのだろうか、時折、笑顔も見せていた。
昭恵さんは、偲ぶ会で「主人は『至誠』という言葉を大切にしてきた」と語った。
「至誠」とは、「誠の心は必ずや、相手に通じる」の意で、孟子から引いた言葉である。
昨年4月、安倍元総理が書き残した最後の「墨書」でもあり、額装されたその書は山口・萩の松陰神社の宝物殿至誠館に展示されている。
安倍元総理に捧げた昭恵さんの「至誠」もまた故人に十分に届いているに違いない。
撮影・本田武士
「週刊新潮」2023年8月3日号 掲載