「父親は毎日自宅の玄関先でカップラーメンやコンビニの弁当を立ちながら食べていました。現役の精神科医で、あんな立派なご自宅なのに今回の事件のことがさっぱり理解ができませんでした」──札幌市の繁華街ススキノのホテルの一室で、首が切断された男性の遺体が見つかった事件。容疑者となった父親の姿を目撃していた近隣住民はこのようにNEWSポストセブンの取材に明かした。
【写真21枚】「30年前」の田村修容疑者。当時は30歳前後だった 北海道警は7月24日、死体損壊、死体領得、死体遺棄の疑いで、札幌市厚別区に住む職業不詳の田村瑠奈容疑者(29)と父親で医師で精神科医の田村修容疑者(59)を家宅捜索後に逮捕した。全国紙記者が捜査状況について語る。
「事件発生から23日目の逮捕となりますが、防犯カメラ映像の解析で、共謀して頭部を遺棄した事件と、殺人事件について240人態勢で検挙した。逮捕は、公判維持できるという前提なので、それだけ警察が慎重に証拠を固めていった上での逮捕といえます。決して遅くはない」 被害者は恵庭市の会社員・浦仁志さん(62)。事件当日、家族には行き先を告げないまま札幌市内で行なわれたディスコイベントに参加したことがわかっていた。浦さんを知るイベントに参加した男性が語る。「当日は400人以上人が入って、うち半分は常連の人だったと思います。被害者の方は、イベントの受付の時には上に白い服を着て、下は黒のスカートのような形状のものを履いていた。ディスコイベントですから、仮装をしてくる人もいますし、ウィッグをつけて参加するお客さんもたくさんいます」 その後、浦さんは午後10時半ごろに、女性の格好をした別の人物といっしょにホテルへ入る。この人物はそのおよそ3時間半後に「先に1人で出る」とフロントに電話した後、入室時と異なる服装でホテルを出て、いったん南側に向かったあとホテル前まで戻り、西の方角に歩き去って行ったという。 防犯カメラがとらえていた映像には、容疑者とみられた人物が映っていた。体格は小柄で、女性のような服装。そして、つば付きの大きな帽子を目深にかぶっていた。また入室時・退出時は異なる衣服で、退出時にはリュックサックを背負い、大きなスーツケースを引いていた。 一方、ホテルの部屋には浴室以外使用した形跡はほぼなく、遺体には身を守る際にできる「防御創」もなかったという。取材を続ける地元テレビ局の社会部記者はこう明かす。「遺体がみつかった現場は浴室でした。第一発見者はホテルの従業員でしたが、男性がうつぶせになっているのを発見し、体が白くなっているのをみて通報したそうで、頭部がないことには気づかなかったそうです。その後駆けつけた救急隊員が、頭部がないことを確認した。 頭部のほか、被害者の服、所持品含めすべて犯人が持ち帰っているとみられている。ホテル内には被害者の手がかりになるものは身体、指紋しかなかったといいます」 被害者と容疑者らはもともと面識があったのだろうか。そしてどのように犯行を進めたのだろうか。謎が残るばかりだが、捜査関係者が事件について一部を明かす。「被害者と田村瑠奈容疑者は、事件前から面識があったと聞いている。被害者が事件前に訪れていたディスコとは別のディスコで顔を頻繁に合わせることもあった。 見立てでは容疑者が殺意を持ってホテルに同行した可能性が高い。被害者に恨みがあったのではないか。容疑者たちの役割分担については捜査段階にあるが、父親が娘を車で送迎した可能性も含め捜査を進めていく。瑠奈容疑者は小学校の高学年の頃から不登校だったようで、父親が医者ということもあり、食べていくには困らないが苦悩を抱えていた家だったようだ」 警察は父親がホテル内には入っていないとみて調べを進めており、被害者の頭部や所持品・凶器の行方などを捜索中だ。防犯カメラに残された映像、そして犯行の“謎”についての解明が待たれる。
北海道警は7月24日、死体損壊、死体領得、死体遺棄の疑いで、札幌市厚別区に住む職業不詳の田村瑠奈容疑者(29)と父親で医師で精神科医の田村修容疑者(59)を家宅捜索後に逮捕した。全国紙記者が捜査状況について語る。
「事件発生から23日目の逮捕となりますが、防犯カメラ映像の解析で、共謀して頭部を遺棄した事件と、殺人事件について240人態勢で検挙した。逮捕は、公判維持できるという前提なので、それだけ警察が慎重に証拠を固めていった上での逮捕といえます。決して遅くはない」
被害者は恵庭市の会社員・浦仁志さん(62)。事件当日、家族には行き先を告げないまま札幌市内で行なわれたディスコイベントに参加したことがわかっていた。浦さんを知るイベントに参加した男性が語る。
「当日は400人以上人が入って、うち半分は常連の人だったと思います。被害者の方は、イベントの受付の時には上に白い服を着て、下は黒のスカートのような形状のものを履いていた。ディスコイベントですから、仮装をしてくる人もいますし、ウィッグをつけて参加するお客さんもたくさんいます」
その後、浦さんは午後10時半ごろに、女性の格好をした別の人物といっしょにホテルへ入る。この人物はそのおよそ3時間半後に「先に1人で出る」とフロントに電話した後、入室時と異なる服装でホテルを出て、いったん南側に向かったあとホテル前まで戻り、西の方角に歩き去って行ったという。
防犯カメラがとらえていた映像には、容疑者とみられた人物が映っていた。体格は小柄で、女性のような服装。そして、つば付きの大きな帽子を目深にかぶっていた。また入室時・退出時は異なる衣服で、退出時にはリュックサックを背負い、大きなスーツケースを引いていた。
一方、ホテルの部屋には浴室以外使用した形跡はほぼなく、遺体には身を守る際にできる「防御創」もなかったという。取材を続ける地元テレビ局の社会部記者はこう明かす。
「遺体がみつかった現場は浴室でした。第一発見者はホテルの従業員でしたが、男性がうつぶせになっているのを発見し、体が白くなっているのをみて通報したそうで、頭部がないことには気づかなかったそうです。その後駆けつけた救急隊員が、頭部がないことを確認した。
頭部のほか、被害者の服、所持品含めすべて犯人が持ち帰っているとみられている。ホテル内には被害者の手がかりになるものは身体、指紋しかなかったといいます」
被害者と容疑者らはもともと面識があったのだろうか。そしてどのように犯行を進めたのだろうか。謎が残るばかりだが、捜査関係者が事件について一部を明かす。
「被害者と田村瑠奈容疑者は、事件前から面識があったと聞いている。被害者が事件前に訪れていたディスコとは別のディスコで顔を頻繁に合わせることもあった。
見立てでは容疑者が殺意を持ってホテルに同行した可能性が高い。被害者に恨みがあったのではないか。容疑者たちの役割分担については捜査段階にあるが、父親が娘を車で送迎した可能性も含め捜査を進めていく。瑠奈容疑者は小学校の高学年の頃から不登校だったようで、父親が医者ということもあり、食べていくには困らないが苦悩を抱えていた家だったようだ」
警察は父親がホテル内には入っていないとみて調べを進めており、被害者の頭部や所持品・凶器の行方などを捜索中だ。防犯カメラに残された映像、そして犯行の“謎”についての解明が待たれる。