空前の賃上げムードが広がっているが、長らく「稼げない」と言われる業界にも1000万円プレーヤーはいる。なぜ、彼らは逆境を乗り越えられたのか? 収入を増やす知恵と努力にスポットを当てた。今回は年収1000万円近く稼ぐエリートタクシードライバーを取材した。
◆年収1000万円目前のエリートドライバー
求人統計データによると、タクシードライバーの平均年収は375万円。わずかながらサラリーマンの平均年収を下回る傾向にあるが、黒澤勝浩さん(50歳)は、年収1000万円を目前にするエリートドライバーだ。25歳から宅配セールスドライバーとして16年勤め、40歳を過ぎてタクシードライバーに転身した。
「元同僚から個人タクシードライバーはもっと稼げるという話を聞いて。個人になるには10年の経験が必要ですが、40歳なら間に合うと思いました」
◆エリートドライバーの秘訣は?
現在は法人タクシー乗務員として勤務するも、年収は平均の倍の800万円を叩き出す。その秘訣とは。
「『○○でイベントがある』『○○線が止まっている』などの情報を仲間とリアルタイムで共有し合い、人が集まるエリアに動く。夜は遠方に帰られるお客さまが多い、都心の料亭付近に車をつけます」
◆ドライバー仲間との情報交換が重要
タクシー業界は客相手。ここまで稼ぐには苦労もある。
「売上高が伸び悩み、休憩時間を削ってむちゃしたことも。しかし仲間から『この業界は量より質。情報を手に入れながらドライブテクニックを磨くほうがいい』とアドバイスされ、目から鱗でした」
来年で勤続10年、個人タクシー乗務員の資格取得要件を得られる黒澤さん。それまでは無事故無違反、安全運転で、本人の夢とともに我々を運んでくれることを願う。
【黒澤勝浩さん(50歳)】日本交通グループ会社にて東京23区、三鷹市・武蔵野市エリアを中心に乗務中。「ココナラ」にて転職アドバイザーとしても活躍
<取材・文/週刊SPA!編集部>