中古車販売大手ビッグモーターの記者会見(7月25日)では、保険金不正請求問題への追及だけでなく、「除草剤疑惑」にも質問が集中した。
各地のビッグモーター店舗前に植えられた街路樹が「枯れている」という指摘がインターネットで数多くあげられたことを受けてのものだ。
記者からの質問に、「環境整備で…」と口にしかけた兼重宏行社長を制するかたちで、陣内司管理本部長が「きちんと調査をさせていただきまして、適切に対処させていただきたい」と答えた。
それからも質問が相次ぐと、和泉伸二専務は、環境整備の点検の中で、歩道も含めた出入り口近くの雑草やゴミを取り除く指導をしていると説明した。その一環で、除草剤をまいて街路樹に影響を与えたことがあったという。ただし、10年以上前のことで、そうした指導は現在していないとした。
会見では「10年以上前」と説明されたわけだが、はたして「過去の問題」なのか。
群馬県太田市の店舗(2021年1月開業)前では、何者かによって除草剤が撒かれていることが土壌成分分析で明らかになった。
県太田土木事務所は弁護士ドットコムニュースの取材に、2022年8月に情報が寄せられ、同11月に被害届を提出したと説明した。枯れた17本のトウカエデは撤去されたという。
事務所と警察は今年3月まで「この場所で除草剤散布が原因の街路樹大量枯死が発生」と書かれた看板を設置して情報募集していたが、いまも“犯人”は見つかっていない。
SNSでは、複数の店舗前の様子がGoogleストリートビューなどの写真とともに投稿される事態となっている。
たとえば、店舗前だけ植栽が枯れたと指摘されている埼玉県所沢市の店舗のストリートビューを確認してみる。
ビッグモーターが建つ前の店舗には青々とした植栽が確認できる(2015年4月)。
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しかし、ビッグモーターが開店してから、2019年7月には複数の植栽から葉がおちた状態だ。 __
2020年10月には植栽は消えている。
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また、福島県郡山市の店舗のストリートビュー(23年6月)では、ショベルやホウキなどと一緒に「除草剤」もうつりこんでいるとして話題になり、商品名まで挙げられている。
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取材に応じた太田土木事務所では、「自然に枯れたというのではなく、誰かに除草剤を撒かれたということで警察に入ってもらった。今回の犯人が見つかれば、一般的な流れとして 弁償や賠償を求めることになるかと思う」と話している。
Twitterなどでは、店舗や車が目につくように、街路樹が邪魔だったのではないかという指摘もされている。ビッグモーター側には「きちんとした調査」を期待したい。
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