昭和の昔は、夫が働き妻が家のことを任される「分業体制」が家庭の標準スタイルでした。
子育てもワンオペ、妻は家計を助けるためにパートに出ることはあっても、夫と同レベルに働く妻は少数派。そのため家計は夫の収入に頼り、1つの財布で妻がやりくりしている家庭がほとんどでした。
「夫が稼ぎ妻が家計をやりくりする」はもう古い!?環境や景気が変わり、令和の今は共働きが当たり前。夫も妻もフルタイムで仕事をし、家のことも分業制にするライフスタイルが標準になりつつあります。出産のため一時的に働けない時期もありますが、産休や育休といった制度を利用し、復職する制度も浸透してきました。
社会における立場が同等になれば、夫婦間の家庭における役割もフェアでありたいもの。性差による体力の違いや子育て期の「ママでなければ」なども考慮し、(平等ではなく)公平に家事分担をしたり、家計を助け合いたいもの。
妻もフルタイムで働いているならば「夫の稼ぎで暮らし、妻の収入を予備にする」のもナンセンス。柱が2本であるならば、双方から家計費を捻出し、残りは独立採算にするほうが建設的です。大きな声では言えませんが、万が一夫婦が離婚する羽目になっても、財布が別なら手続きが楽です(笑)。
共働き夫婦は「共同財布」と「個別管理」を使い分けよう夫婦が共働きの場合、財布を分けたほうが管理がシンプルになります。家計として必要な予算と夫婦共同で貯金する金額を決め、所定の口座に毎月それぞれが入金し、残りは各自で管理する──お小遣い制よりも互いに自由に使える金額が増え、収入に応じて手持ちも多くなるので、稼ぐモチベーションにもつながります。
「それだと夫(妻)が全部使ってしまいそう」パートナーが浪費家の場合、個別管理は心配になりますね。その場合は、夫婦共同の貯金額を増やし、パートナーが入れる金額を多く設定しましょう。自分で貯められないのですから、文句は言わせません(笑)。
貯金に限らず、家計分も必ずしも「1:1」で入れる必要はありません。収入比に応じて決めてもいいし、家事分担に反比例して(家事負担の少ないほうが)多めに入れるルールにするのも一案です。
家庭を「運営」する意識で同じ未来を見よう夫婦2人ならば、家計管理もさほど難しくないでしょう。しかし、子どもが産まれたりペットを飼ったりすれば生活費も増えるし、家を買えばローンなどの固定費も管理しなければなりません。老後のことも意識し、長期プランで支出に応じた貯金や収入を考える必要があります。
今回提案した家計管理が必ずしも最適解とは限りません。家庭により環境はさまざま。金銭管理や資産運用は得意なほうが担当したほうがいいし、そもそも収入の柱が1本ならば、昔ながらの「お小遣い制」がベストな方法かもしれません。
家庭は、そこに居る家族全員が運営する、1つの「組織」。会社組織ほど複雑ではありませんが、最小単位である家庭という組織を運営するのは、同じ屋根の下で暮らす家族全員です。