猟奇的ともいえるこの事件、犯罪心理学の専門家は「子どもの感情に親が加担する、甘やかし型の典型」と指摘します。
【浴室で頭部発見】
(宮永キャスター)「腐敗もある程度進んでいたということで、丁寧に扱われていなかった?」
(犯罪心理学者 出口保行さん)「頭部を切断して持ち帰ることにどういう意味があるのかが焦点になる。1つは頭部を持ち去ることで被害者の特定を遅らせる、捜査をかく乱する。もう一つは人間の頭部・顔面は人を象徴する部分、そこを持ち帰る。強い怨恨が背景にあったと考えられる。第三の可能性は、頭部自体に持ち帰る意味がある。いずれにしても持ち帰ること自体が普通の事件では考えられない。浴室で見つかり腐敗が進んでいた頭部を持ち帰るところまでは計画していたが、そのあとは計画になかった」
【容疑者らの“心理状況”】
(宮永キャスター)「この2か月ほどの間に被害者と出会ってトラブルがあった。瑠奈容疑者と家族の心理状況は?」
(犯罪心理学者 出口保行さん)「一般的に考えて、動機の60%は憤懣や怨恨が原因。加害者・被害者の間にトラブルがあり、憤懣や怨恨を含む負の感情に支配されていた」
(宮永キャスター)「特に父親の関わりは?」
(犯罪心理学者 出口保行さん)「ふつうは家族が計画を知ったら止めるのが当たり前。犯行が既遂なら自首させて罪を償わせるのが親としての通常の姿。計画を立てる段階から父親が加担している可能性が高い。母親も知りながら見過ごしていたかもしれない。通常の家族のストッパーが機能していない、いびつな家族関係だろう」
(宮永キャスター)「親子関係は仲がよさそうだが、ここに心理的な異常性は?」
(犯罪心理学者 出口保行さん)「この家族は甘やかし型の養育態度をとっていたのではないか。娘の思いをなんでもかなえてあげる、娘の言いなりになっていたのかなと思う」
(宮永キャスター)「娘が恨みを晴らしたい、それをかなえてあげたいという心理状況?」
(犯罪心理学者 出口保行さん)「娘と被害者の二者から始まっていると思うが、娘が負の感情を抱いた、親がそれに加担してしまう、甘やかし型の典型的な例」
【修容疑者の生活】
(宮永キャスター)「修容疑者の生活において、自宅の前で家に入らず食事をしていた。さらに相当な量のものが家から運び出された。どういう家庭内の環境?」
(犯罪心理学者 出口保行さん)「家庭としての機能が機能不全、ゴミ屋敷のような状態になっていた。家族が機能不全に陥っていたと十分言える。そこで生活すると考えると、外にいたほうが気持ちよかったのかもしれない」