夜ともなればサラリーマン客でごった返す、JR新橋駅から至近の飲食店街――。日中でも人通りの多いこの街で、突如として爆音が鳴り響いたのは、7月3日午後3時10分頃のことだった。現場となったのは、港区新橋3丁目にある8建て雑居ビルの2階部分。爆発の衝撃によって、このビルの2階に入っているカフェバーの店長や通行人ら4人が重軽傷を負った。
【写真多数】道路に散乱するガラス片、立ち込める白煙…爆発直後の緊迫した現場の様子「爆発があったのはちょうど仕込みの真っ最中で、いきなり“ドカーン”という爆音が鳴り響いたんです。同時に凄まじい揺れを感じて、“店に車が突っ込んだのか!?”と思ったほどでした」

ビルの窓から噴き出す真っ赤な炎(目撃者提供) 爆発直後の状況を明かすのは、現場となったビルの1階にある飲食店の店員だ。「あまりの衝撃に驚いて店を飛び出すと、道路を挟んで向かい側の店舗の人たちが“危ない、逃げろ!”と手を振って合図していた。それですぐに現場を離れました。少し離れた場所から様子を窺うと、うちの店の真上にあるバーから真っ白い煙がモウモウと立ちのぼっていたんです。爆発の威力が凄すぎて、ビルの前の道路には2階に入っているバーの窓ガラスや段ボール箱、ポスターなど散乱。さらに、電子レンジのような大きな家電や、バーの外壁が剥がれ落ちたのか、コンクリート片まで降ってきていた」新橋に響き渡る警報音 さらに、爆発から5分が過ぎた頃には、2階の窓から真っ赤な炎が噴き出したという。「すでにビル近くの一画には煙が充満していて……。この辺りはサラリーマンのお客さんも多いので、爆発があと2時間ほど遅かったらとんでもない大惨事になっていたかもしれません」(同) また、現場の斜め向かいにある、別の居酒屋で働く店員はこう振り返る。「ランチの時間帯が終わって、夜の営業に向けて1階の厨房で仕込みをしていたら、凄まじい振動に襲われました。地震じゃないのはすぐに分かりましたよ。横揺れじゃなくて、縦に揺さぶられるような感じです。雷がうちのビルを直撃したのか、それとも2階の店でタンスでもひっくり返したのか……。とにかく経験したことのない衝撃で、天井からパラパラと埃が降ってきた。同僚と一緒に店から出たら、すでに煙が凄くて、街中に響き渡るほど警報が鳴り続けていました」“ガス臭いな” さらに、近隣で薬局を営む男性によれば、「“ドーン!”という音が聞こえた直後、ビルが崩れ落ちたかと思うほどの揺れがあってね。何が起きたか見当もつかなかった。慌てて外に出てみると、現場のビルは道路を挟んで向こう側なのに、こっちの交差点まで白い煙が流れてきていました。地面を這うような、淀んだ煙でしたよ。最近、この辺りはコロナの影響で店舗の入れ替わりが激しく、ようやく客足が戻ってきたので新規テナントの内装工事が多いんです。工事の影響でガス管を傷つけて、爆発したのかと思った」 警視庁によると、負傷した現場のカフェバー店長は、「タバコに火を付けようとしたら爆発した」と話しているという。 一方、冒頭に登場した、現場のビル1階の飲食店員はこう語る。「実は、爆発の1時間ほど前の午後2時20分頃、店から100mほど離れた交差点まで来た時に“ガス臭いな”と思ったんですね。自分も飲食店で働いているので、ガス漏れにはかなり気を付けています。それだけに、店の外でもガスの匂いがしたのは気懸りでした」 もし、あと数時間、爆発が遅れていたら……。あわや大惨事の爆発火災。まずは、その原因究明が急がれる。デイリー新潮編集部
「爆発があったのはちょうど仕込みの真っ最中で、いきなり“ドカーン”という爆音が鳴り響いたんです。同時に凄まじい揺れを感じて、“店に車が突っ込んだのか!?”と思ったほどでした」
爆発直後の状況を明かすのは、現場となったビルの1階にある飲食店の店員だ。
「あまりの衝撃に驚いて店を飛び出すと、道路を挟んで向かい側の店舗の人たちが“危ない、逃げろ!”と手を振って合図していた。それですぐに現場を離れました。少し離れた場所から様子を窺うと、うちの店の真上にあるバーから真っ白い煙がモウモウと立ちのぼっていたんです。爆発の威力が凄すぎて、ビルの前の道路には2階に入っているバーの窓ガラスや段ボール箱、ポスターなど散乱。さらに、電子レンジのような大きな家電や、バーの外壁が剥がれ落ちたのか、コンクリート片まで降ってきていた」
さらに、爆発から5分が過ぎた頃には、2階の窓から真っ赤な炎が噴き出したという。
「すでにビル近くの一画には煙が充満していて……。この辺りはサラリーマンのお客さんも多いので、爆発があと2時間ほど遅かったらとんでもない大惨事になっていたかもしれません」(同)
また、現場の斜め向かいにある、別の居酒屋で働く店員はこう振り返る。
「ランチの時間帯が終わって、夜の営業に向けて1階の厨房で仕込みをしていたら、凄まじい振動に襲われました。地震じゃないのはすぐに分かりましたよ。横揺れじゃなくて、縦に揺さぶられるような感じです。雷がうちのビルを直撃したのか、それとも2階の店でタンスでもひっくり返したのか……。とにかく経験したことのない衝撃で、天井からパラパラと埃が降ってきた。同僚と一緒に店から出たら、すでに煙が凄くて、街中に響き渡るほど警報が鳴り続けていました」
さらに、近隣で薬局を営む男性によれば、
「“ドーン!”という音が聞こえた直後、ビルが崩れ落ちたかと思うほどの揺れがあってね。何が起きたか見当もつかなかった。慌てて外に出てみると、現場のビルは道路を挟んで向こう側なのに、こっちの交差点まで白い煙が流れてきていました。地面を這うような、淀んだ煙でしたよ。最近、この辺りはコロナの影響で店舗の入れ替わりが激しく、ようやく客足が戻ってきたので新規テナントの内装工事が多いんです。工事の影響でガス管を傷つけて、爆発したのかと思った」
警視庁によると、負傷した現場のカフェバー店長は、「タバコに火を付けようとしたら爆発した」と話しているという。
一方、冒頭に登場した、現場のビル1階の飲食店員はこう語る。
「実は、爆発の1時間ほど前の午後2時20分頃、店から100mほど離れた交差点まで来た時に“ガス臭いな”と思ったんですね。自分も飲食店で働いているので、ガス漏れにはかなり気を付けています。それだけに、店の外でもガスの匂いがしたのは気懸りでした」
もし、あと数時間、爆発が遅れていたら……。あわや大惨事の爆発火災。まずは、その原因究明が急がれる。
デイリー新潮編集部