6700万円の損害賠償請求を受け話題となったスシローペロペロ少年。しかし、不倫や業務ミス、天災など、思わぬことがきっかけで、賠償責任を問われてしまったら、その後の人生はどうなってしまうのか?◆迷惑行為で炎上、賠償請求された末路
スシローペロペロ少年が多額の損害賠償を請求され話題となっているが、過去にもネット炎上が発端で損害賠償請求された事例がある。
’16年にコンビニ「サークルK・サンクス」でおでんをつつく動画を投稿して逮捕、賠償請求された“おでんツンツン男”こと豊嶋悠輔氏に話を聞いた。
「店員は顔なじみで、閉店後だから客もいない。おでんも廃棄予定のものだし、大丈夫だろうと面白半分でやったことで、まさか逮捕されるなんて……。不起訴にはなりましたが、損害賠償請求を受けました」
◆電話やSNSを介して数えきれないほどの誹謗中傷
不起訴後、家にはマスコミが押し寄せ、電話やSNSを介して数えきれないほどの誹謗中傷の声が届いた。
「僕の炎上動画がメディアで報じられた後、しばらくはカネどころでありませんでした。損害賠償だけでなく弁護士への支払いなども重なっていましたが、むしろ『お金で解決できるならいくらでも払う』と思うほど極限状態。もともと事業をやっていたのである程度貯蓄はあったものの、あの時、詐欺話を持ちかけられていたら訳もわからず払っていたでしょうね」
◆災いが転じて思わぬ収穫も
一方で、災いが転じて思わぬ収穫もあった。
「実は騒動の前まで家族仲が悪かったのですが、炎上後は家族が団結するようになりました。特に母親には頭が上がりませんね。不起訴処分後は、アパートが借りられなかったので、母の名義で部屋に住まわせてもらい、もともと手掛けていた事業の立て直しのために500万円を貸してもらったりと、本当に迷惑をかけました」
◆今でも店に電話『ツンツン』『殺すぞ』
騒動から7年たった今、豊嶋氏はスケートショップを2店舗経営。500万円も返済済みだが、一度上がった炎上の火はいまだに消えない。
「今でも店に電話が来て、『ツンツン』とか『殺すぞ』と言われることがあります。この前なんて、コンビニのレジに並んでいたら、横にいた子供がおでんの蓋で遊びはじめて、母親らしき人が『昔おでんをツンツンして捕まった馬鹿がいるんだよ』って注意していた(笑)。僕が100%悪いので仕方ないですが、炎上した動画が独り歩きして、僕という人間が誤解されているのは悔しいですね」
それを払拭すべく、豊嶋氏は昨年ユーチューバーとして活動を開始。若い世代にもネット炎上の怖さを伝えるべく、過去の騒動で得た教訓を発信している。
【豊嶋悠輔氏/おでんツンツン男】’16年にサークルK・サンクスのおでんをつついた迷惑行為で炎上。元スノーボーダーで、現在はスケートボードショップを経営
◆6700万円は妥当か?スシロー側が少年に損害賠償請求をする意図
店側にとっては大損害のネット炎上。だが、スシローペロペロ少年のような、「醤油をなめる」という行為は6700万円もの請求に値するのか? 少年に同情の声も上がっているが……。
「今回の騒動で、スシロー側はあえて『やりすぎ』だと世間に印象づけるような厳しい対応をとっているのでしょう。この損害賠償請求は、『迷惑行為は絶対に許さない』という態度を世間に示すためのものなのです」
そう指摘するのは、飲食店の法律問題に詳しい石崎冬貴弁護士。実際のところ、スシロー側の6700万円という請求は破格であり、裁判でも認められない可能性が高いという。
「ネット炎上が店側にどれだけの“損害”を与えるのか、今の日本の法制度だと金額に換算するのが難しい。店の器物が破壊されるなど損失額がわかりやすい事例なら別ですが、ネット炎上の標的にされた場合、裁判でもかかる労力やコストに比べ認められる額は多くありません」
今後、スシロー側が少年に対する請求を6700万円からさらにつり上げる可能性もあるというが、これは店側の意地でもあるのだ。
取材・文・撮影/SPA!「賠償請求された人」取材班