初公判で、動機の一端が「元交際相手の結婚」にあったことが明らかになった。
2021年の10月、ハロウィーンの夜に映画「バットマン」の悪役ジョーカーに扮(ふん)し、走行中の電車内で犯行に及んだ服部恭太被告(26)。
人々をパニックに陥れた凶行。
それから1年半余り。
金髪だった頭を丸刈りにして、法廷に姿を見せた。
東京地裁立川支部で行われた注目の裁判。服部恭太被告が罪に問われているのは、2021年10月のハロウィン当日の日曜日に、京王線の電車内で起こした事件。
服部被告は、車内にいた70代の男性をナイフで刺して殺害しようとしたほか、ライターオイルをまいて火をつけ、乗客12人を殺害しようとした罪などに問われている。この事件で刺された男性が一時重体になるなど、17人が重軽傷を負った。
事件に巻き込まれ、病院に搬送された男性は、事件後、しばらく電車に乗れない日々が続いたと話す。
事件に巻き込まれた男性:トラウマじゃないですけど、みたいになっちゃって(電車に)乗れなかったですね。
ーー裁判でどういう事を話してほしい?
事件に巻き込まれた男性:(犯行に)どんな理由があるんだろうとなんで人を巻き込んだのか。
自身の犯行を本人は、どう語るのか。丸刈りに黒のスーツ姿で現れた服部被告は、裁判官に深く頭を下げ、時折指の震えを抑えようとするなど、緊張した様子。
注目の罪状認否では、起訴内容を一部否認、争う姿勢を示した。
服部被告:Aさんをナイフで刺したこと、ナイフを携帯したこと、火をつけたことは認めます。ただ、Aさん以外の12人が殺人未遂の対象になるかは分かりません。
その後の検察側、弁護側双方の冒頭陳述の中で明らかになったのが、交際相手との別れが犯行に至る一端になったということだった。
服部被告には、中学時代から交際し、その後、同棲生活を送っていた女性がいた。しかし、犯行前年の2020年11月。服部被告の誕生日に別れを告げられ、約半年後には、女性が別の男性と結婚したことを知ったという。
弁護側の冒頭陳述:自分のこれまでの人生に意味があったのか、考えるようになります。死にたいと考えました。過去2回自殺に失敗しているため、確実に死ぬため、死刑になろうと考えました。
さらに裁判では犯行の3カ月以上前から、ハロウィーンの当日の犯行に向けたメモが残されていたことも明らかになった。
iPhone内に残されていたメモ(裁判の証拠調べより):逮捕されて死刑になる→逃亡する→2時間で5人サバイバルナイフで殺害するハロウィーンで10人以上殺害 ナイフ オイル ライター
今日の初公判で検察側は、「犯行動機が強い非難に値する」とした上で、「ナイフで刺された男性以外の12人に対しても殺意があった」と指摘。これに対し弁護側は、「12人に対する殺意はなかった」と主張していて、今後の裁判で大きな争点となる。
(「イット!」6月26日放送分より)