執事や王子様、アイドルなど、さまざまなキャラクターになりきった若い男性たちが、コンセプトに沿った世界観の店内で接客してくれる「メンズコンセプトカフェ」、通称“メンコン”。
【写真】チェキでは男性キャストが女性に密着することも このメンコンが、新宿・歌舞伎町や秋葉原などを中心に東京都内で急増し、大きな問題を生んでいる。10代などの若い女性が、男性キャストを“推す”という名目で支払い能力を超える多額の金額を貢ぐケースが後を絶たないのだ。

歌舞伎町の路上で客引きをするメンズコンカフェの男性キャストたち 若い女性はなぜ貢いでしまうのか。過剰な貢ぎが起きてしまう背景には、店の巧妙なシステムがあるという。女性客に大金をつぎこませるメンコンの仕組み ほとんどのメンコンは、おおよそ以下のような仕組みで営業している。 1時間1000円~2000円程度の席料がかかり、客の女性のドリンクは1杯800円から1000円程度。男性キャスト用のドリンクは別料金で、客がキャストに奢るような形態になっており、注文すると一緒に飲んでくれるのが一般的だ。 キャスト用ドリンクの価格帯は幅広く、アルコール度数の高いショットやお店限定のオリジナルシャンパン、高級酒のボトルになると数万~数十万円にのぼることもある。 他には男性キャストとツーショット写真を撮ったその場でプリントしてもらえる「チェキ」が特徴で、1枚1000円前後で販売されている。 男性キャストは客が注文してくれたドリンクやチェキの金額によって歩合が入る仕組みになっており、女性客にチェキやドリンクの購入を促す。 多くの店で導入されているのが、店で使った金額に応じて男性キャストと店外でプリクラが撮れるなどのポイント制で、その特別感、優越感を求めて客はお気に入りのキャストに多額の金をつぎ込むのだ。 メンコンの関係者らは「うちらの営業方法は、ほぼホストクラブと一緒ですよ」と口を揃える。しかしここへきてメンコンが大きな問題になっているのは、ホストクラブよりも法的な規制が弱いことも影響している。 新宿のメンコン常連だという20代女性が語る。「ホストクラブは『風俗営業』なので、お客さんは18歳以上でないと入れないんです。でもメンコンは『飲食店』という登録になっている店も多いので、高校生とか中学生でも入れます。 でも店の実態は、気に入った男性キャストに貢ぐという意味ではホストと一緒。普通に密着する感じで隣に座って接客している店もありますね。メンコンにハマった女の子たちは一瞬でお金がなくなるけど、キャバクラや風俗で働こうにも年齢でアウトなので、すぐパパ活や大久保公園での立ちんぼになっちゃうみたいです」「女なんて月400万稼げる。パンツでもなんでも売れるんだから」 そして店側も、10代の女性が売春で貢ぐお金を作っていることは当然承知している。歌舞伎町のメンコンでキャストをしていた20代の男性は、その“えげつない”営業手法をこう語る。「営業前のミーティングで、店の幹部が『女なんてその気になれば月400万稼げる。あいつらはパンツでも身体でも売れるんだから』とか普通に言いますからね。店もキャストも、未成年の女の子に売春させることを特に何とも思っていないですよ。むしろ売春前提で売り上げてなんぼの世界です。 店がそういった教育方針だったためか、キャストも女の子に『あと20万で一緒にカラオケ行けるよ』とか言って、もっと金を出すように要求していました。お金がない女の子には大久保公園の存在を教えたり、風俗を案内したりすることも普通にありました」 この男性が働いていた店は上述の「ポイント制」を採用しており、カラオケに遊びに行く店外デートや、一緒にディズニーランドへ行く権利などが与えられていたという。 メンコンにハマる女性の客層についても、完全に“狙い打ち”であるという。「20歳前後くらいのお客さんが多いかな。店に来る女の子は“地雷系”が多いから、必然的にキャストもウルフカットとか化粧がっつりの、地雷系ファッションの男性が多いですよ」 地雷系とは黒やピンクを基調とした服装に身を包んだ若者を指し、メンタルが不安定な“メンヘラっぽさ”が特徴である。地雷系の女性たちは店の男性キャストに“メンケア”(メンタルケア)を求めるという。Twitterでも「メンケアの自信あるよって人DM遠慮なくしてください」「メンケアできるメンコンの担当ください」といったツイートが散見される。 そんなメンコンにはまって推しに貢ぐために売春していた女性の実態については、こんな証言がある。「私の友人は20歳を超えているので風俗店という選択肢もあったんですが『店だと時間が固定だけど、立ちんぼなら客も選べるし“テク”さえあれば30分で終わって割がいい。同じ時間で倍稼げる』と言っていました」メンコンはホストクラブよりも銀行のウケがいい? さらにメンコン急増のあまり語られていない背景として、開業ハードルの低さもあるという。「メンコンはホストクラブと違って内装にかかるお金も安いし、あと飲食店で登録を出すことで銀行の融資が受けやすいとかそんな理由もあるみたいです」(前出・メンコンの元キャスト男性) 大手銀行で飲食店などへの融資を担当する男性は、次のように話す。「一般論として、やはり飲食店の方が風俗店よりも融資のハードルは低いです。それはどの銀行でも一緒でしょう。貸す側も事業の公共性を見ていますし、そもそも風俗営業だとお金の流れが不明瞭なところも多く、そうなると融資は厳しい。『飲食店』ということでお金を借りた方が金利も低くなりやすいですしね」40万円のシャンパンを買わせ「払わなければ実家に行く」と脅したキャストも しかし実際は、2023年だけでも、多くのメンコンが警察沙汰になっているという実態もある。 2月には、飲食店の営業許可しか受けていないにもかかわらず、客と同席して談笑したり酒を提供したりする接待行為をしたとして、歌舞伎町の店の経営者と店長が風営法違反容疑で逮捕。 4月には、SNSで知り合った16歳の女子高校生を未成年と知りながら深夜に入店させたとして、歌舞伎町の別のメンコンの店長と男性キャストが風営法違反の疑いで摘発されている。キャストは、1本40万円に設定したシャンパンを買わせ、「支払わなければ実家に行く」などと脅し、女子高校生に25万円ほどを支払わせたという。 このほか、メンコンで働く男性が、未成年に対してわいせつな行為をしたとして、東京都青少年健全育成条例違反の疑いで逮捕される事案も発生している。「女性にとっても、ホストクラブよりメンコンの方が入りやすいんですよね。それは働く方も一緒で、普通の大学生がバイト感覚でゆるく働くこともできる。win-winなんですよ(笑)。だからメンコンが増えるのは当然だと思いますね」(前出・メンコンの元キャスト男性) 作り込んだ世界観の中で非日常を味わわせてくれるリーズナブルな店舗も確かに存在するが、「推し活」にのめり込む未成年に付けこんで高額な請求をふっかける店舗があるのも事実。警視庁は未成年がパパ活や援助交際による犯罪に巻き込まれないよう注意を呼び掛けている。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
このメンコンが、新宿・歌舞伎町や秋葉原などを中心に東京都内で急増し、大きな問題を生んでいる。10代などの若い女性が、男性キャストを“推す”という名目で支払い能力を超える多額の金額を貢ぐケースが後を絶たないのだ。
歌舞伎町の路上で客引きをするメンズコンカフェの男性キャストたち
若い女性はなぜ貢いでしまうのか。過剰な貢ぎが起きてしまう背景には、店の巧妙なシステムがあるという。
ほとんどのメンコンは、おおよそ以下のような仕組みで営業している。
1時間1000円~2000円程度の席料がかかり、客の女性のドリンクは1杯800円から1000円程度。男性キャスト用のドリンクは別料金で、客がキャストに奢るような形態になっており、注文すると一緒に飲んでくれるのが一般的だ。
キャスト用ドリンクの価格帯は幅広く、アルコール度数の高いショットやお店限定のオリジナルシャンパン、高級酒のボトルになると数万~数十万円にのぼることもある。
他には男性キャストとツーショット写真を撮ったその場でプリントしてもらえる「チェキ」が特徴で、1枚1000円前後で販売されている。 男性キャストは客が注文してくれたドリンクやチェキの金額によって歩合が入る仕組みになっており、女性客にチェキやドリンクの購入を促す。 多くの店で導入されているのが、店で使った金額に応じて男性キャストと店外でプリクラが撮れるなどのポイント制で、その特別感、優越感を求めて客はお気に入りのキャストに多額の金をつぎ込むのだ。 メンコンの関係者らは「うちらの営業方法は、ほぼホストクラブと一緒ですよ」と口を揃える。しかしここへきてメンコンが大きな問題になっているのは、ホストクラブよりも法的な規制が弱いことも影響している。 新宿のメンコン常連だという20代女性が語る。「ホストクラブは『風俗営業』なので、お客さんは18歳以上でないと入れないんです。でもメンコンは『飲食店』という登録になっている店も多いので、高校生とか中学生でも入れます。 でも店の実態は、気に入った男性キャストに貢ぐという意味ではホストと一緒。普通に密着する感じで隣に座って接客している店もありますね。メンコンにハマった女の子たちは一瞬でお金がなくなるけど、キャバクラや風俗で働こうにも年齢でアウトなので、すぐパパ活や大久保公園での立ちんぼになっちゃうみたいです」「女なんて月400万稼げる。パンツでもなんでも売れるんだから」 そして店側も、10代の女性が売春で貢ぐお金を作っていることは当然承知している。歌舞伎町のメンコンでキャストをしていた20代の男性は、その“えげつない”営業手法をこう語る。「営業前のミーティングで、店の幹部が『女なんてその気になれば月400万稼げる。あいつらはパンツでも身体でも売れるんだから』とか普通に言いますからね。店もキャストも、未成年の女の子に売春させることを特に何とも思っていないですよ。むしろ売春前提で売り上げてなんぼの世界です。 店がそういった教育方針だったためか、キャストも女の子に『あと20万で一緒にカラオケ行けるよ』とか言って、もっと金を出すように要求していました。お金がない女の子には大久保公園の存在を教えたり、風俗を案内したりすることも普通にありました」 この男性が働いていた店は上述の「ポイント制」を採用しており、カラオケに遊びに行く店外デートや、一緒にディズニーランドへ行く権利などが与えられていたという。 メンコンにハマる女性の客層についても、完全に“狙い打ち”であるという。「20歳前後くらいのお客さんが多いかな。店に来る女の子は“地雷系”が多いから、必然的にキャストもウルフカットとか化粧がっつりの、地雷系ファッションの男性が多いですよ」 地雷系とは黒やピンクを基調とした服装に身を包んだ若者を指し、メンタルが不安定な“メンヘラっぽさ”が特徴である。地雷系の女性たちは店の男性キャストに“メンケア”(メンタルケア)を求めるという。Twitterでも「メンケアの自信あるよって人DM遠慮なくしてください」「メンケアできるメンコンの担当ください」といったツイートが散見される。 そんなメンコンにはまって推しに貢ぐために売春していた女性の実態については、こんな証言がある。「私の友人は20歳を超えているので風俗店という選択肢もあったんですが『店だと時間が固定だけど、立ちんぼなら客も選べるし“テク”さえあれば30分で終わって割がいい。同じ時間で倍稼げる』と言っていました」メンコンはホストクラブよりも銀行のウケがいい? さらにメンコン急増のあまり語られていない背景として、開業ハードルの低さもあるという。「メンコンはホストクラブと違って内装にかかるお金も安いし、あと飲食店で登録を出すことで銀行の融資が受けやすいとかそんな理由もあるみたいです」(前出・メンコンの元キャスト男性) 大手銀行で飲食店などへの融資を担当する男性は、次のように話す。「一般論として、やはり飲食店の方が風俗店よりも融資のハードルは低いです。それはどの銀行でも一緒でしょう。貸す側も事業の公共性を見ていますし、そもそも風俗営業だとお金の流れが不明瞭なところも多く、そうなると融資は厳しい。『飲食店』ということでお金を借りた方が金利も低くなりやすいですしね」40万円のシャンパンを買わせ「払わなければ実家に行く」と脅したキャストも しかし実際は、2023年だけでも、多くのメンコンが警察沙汰になっているという実態もある。 2月には、飲食店の営業許可しか受けていないにもかかわらず、客と同席して談笑したり酒を提供したりする接待行為をしたとして、歌舞伎町の店の経営者と店長が風営法違反容疑で逮捕。 4月には、SNSで知り合った16歳の女子高校生を未成年と知りながら深夜に入店させたとして、歌舞伎町の別のメンコンの店長と男性キャストが風営法違反の疑いで摘発されている。キャストは、1本40万円に設定したシャンパンを買わせ、「支払わなければ実家に行く」などと脅し、女子高校生に25万円ほどを支払わせたという。 このほか、メンコンで働く男性が、未成年に対してわいせつな行為をしたとして、東京都青少年健全育成条例違反の疑いで逮捕される事案も発生している。「女性にとっても、ホストクラブよりメンコンの方が入りやすいんですよね。それは働く方も一緒で、普通の大学生がバイト感覚でゆるく働くこともできる。win-winなんですよ(笑)。だからメンコンが増えるのは当然だと思いますね」(前出・メンコンの元キャスト男性) 作り込んだ世界観の中で非日常を味わわせてくれるリーズナブルな店舗も確かに存在するが、「推し活」にのめり込む未成年に付けこんで高額な請求をふっかける店舗があるのも事実。警視庁は未成年がパパ活や援助交際による犯罪に巻き込まれないよう注意を呼び掛けている。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
他には男性キャストとツーショット写真を撮ったその場でプリントしてもらえる「チェキ」が特徴で、1枚1000円前後で販売されている。
男性キャストは客が注文してくれたドリンクやチェキの金額によって歩合が入る仕組みになっており、女性客にチェキやドリンクの購入を促す。
多くの店で導入されているのが、店で使った金額に応じて男性キャストと店外でプリクラが撮れるなどのポイント制で、その特別感、優越感を求めて客はお気に入りのキャストに多額の金をつぎ込むのだ。
メンコンの関係者らは「うちらの営業方法は、ほぼホストクラブと一緒ですよ」と口を揃える。しかしここへきてメンコンが大きな問題になっているのは、ホストクラブよりも法的な規制が弱いことも影響している。
新宿のメンコン常連だという20代女性が語る。
「ホストクラブは『風俗営業』なので、お客さんは18歳以上でないと入れないんです。でもメンコンは『飲食店』という登録になっている店も多いので、高校生とか中学生でも入れます。
でも店の実態は、気に入った男性キャストに貢ぐという意味ではホストと一緒。普通に密着する感じで隣に座って接客している店もありますね。メンコンにハマった女の子たちは一瞬でお金がなくなるけど、キャバクラや風俗で働こうにも年齢でアウトなので、すぐパパ活や大久保公園での立ちんぼになっちゃうみたいです」
「女なんて月400万稼げる。パンツでもなんでも売れるんだから」 そして店側も、10代の女性が売春で貢ぐお金を作っていることは当然承知している。歌舞伎町のメンコンでキャストをしていた20代の男性は、その“えげつない”営業手法をこう語る。「営業前のミーティングで、店の幹部が『女なんてその気になれば月400万稼げる。あいつらはパンツでも身体でも売れるんだから』とか普通に言いますからね。店もキャストも、未成年の女の子に売春させることを特に何とも思っていないですよ。むしろ売春前提で売り上げてなんぼの世界です。 店がそういった教育方針だったためか、キャストも女の子に『あと20万で一緒にカラオケ行けるよ』とか言って、もっと金を出すように要求していました。お金がない女の子には大久保公園の存在を教えたり、風俗を案内したりすることも普通にありました」 この男性が働いていた店は上述の「ポイント制」を採用しており、カラオケに遊びに行く店外デートや、一緒にディズニーランドへ行く権利などが与えられていたという。 メンコンにハマる女性の客層についても、完全に“狙い打ち”であるという。「20歳前後くらいのお客さんが多いかな。店に来る女の子は“地雷系”が多いから、必然的にキャストもウルフカットとか化粧がっつりの、地雷系ファッションの男性が多いですよ」 地雷系とは黒やピンクを基調とした服装に身を包んだ若者を指し、メンタルが不安定な“メンヘラっぽさ”が特徴である。地雷系の女性たちは店の男性キャストに“メンケア”(メンタルケア)を求めるという。Twitterでも「メンケアの自信あるよって人DM遠慮なくしてください」「メンケアできるメンコンの担当ください」といったツイートが散見される。 そんなメンコンにはまって推しに貢ぐために売春していた女性の実態については、こんな証言がある。「私の友人は20歳を超えているので風俗店という選択肢もあったんですが『店だと時間が固定だけど、立ちんぼなら客も選べるし“テク”さえあれば30分で終わって割がいい。同じ時間で倍稼げる』と言っていました」メンコンはホストクラブよりも銀行のウケがいい? さらにメンコン急増のあまり語られていない背景として、開業ハードルの低さもあるという。「メンコンはホストクラブと違って内装にかかるお金も安いし、あと飲食店で登録を出すことで銀行の融資が受けやすいとかそんな理由もあるみたいです」(前出・メンコンの元キャスト男性) 大手銀行で飲食店などへの融資を担当する男性は、次のように話す。「一般論として、やはり飲食店の方が風俗店よりも融資のハードルは低いです。それはどの銀行でも一緒でしょう。貸す側も事業の公共性を見ていますし、そもそも風俗営業だとお金の流れが不明瞭なところも多く、そうなると融資は厳しい。『飲食店』ということでお金を借りた方が金利も低くなりやすいですしね」40万円のシャンパンを買わせ「払わなければ実家に行く」と脅したキャストも しかし実際は、2023年だけでも、多くのメンコンが警察沙汰になっているという実態もある。 2月には、飲食店の営業許可しか受けていないにもかかわらず、客と同席して談笑したり酒を提供したりする接待行為をしたとして、歌舞伎町の店の経営者と店長が風営法違反容疑で逮捕。 4月には、SNSで知り合った16歳の女子高校生を未成年と知りながら深夜に入店させたとして、歌舞伎町の別のメンコンの店長と男性キャストが風営法違反の疑いで摘発されている。キャストは、1本40万円に設定したシャンパンを買わせ、「支払わなければ実家に行く」などと脅し、女子高校生に25万円ほどを支払わせたという。 このほか、メンコンで働く男性が、未成年に対してわいせつな行為をしたとして、東京都青少年健全育成条例違反の疑いで逮捕される事案も発生している。「女性にとっても、ホストクラブよりメンコンの方が入りやすいんですよね。それは働く方も一緒で、普通の大学生がバイト感覚でゆるく働くこともできる。win-winなんですよ(笑)。だからメンコンが増えるのは当然だと思いますね」(前出・メンコンの元キャスト男性) 作り込んだ世界観の中で非日常を味わわせてくれるリーズナブルな店舗も確かに存在するが、「推し活」にのめり込む未成年に付けこんで高額な請求をふっかける店舗があるのも事実。警視庁は未成年がパパ活や援助交際による犯罪に巻き込まれないよう注意を呼び掛けている。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
そして店側も、10代の女性が売春で貢ぐお金を作っていることは当然承知している。歌舞伎町のメンコンでキャストをしていた20代の男性は、その“えげつない”営業手法をこう語る。
「営業前のミーティングで、店の幹部が『女なんてその気になれば月400万稼げる。あいつらはパンツでも身体でも売れるんだから』とか普通に言いますからね。店もキャストも、未成年の女の子に売春させることを特に何とも思っていないですよ。むしろ売春前提で売り上げてなんぼの世界です。
店がそういった教育方針だったためか、キャストも女の子に『あと20万で一緒にカラオケ行けるよ』とか言って、もっと金を出すように要求していました。お金がない女の子には大久保公園の存在を教えたり、風俗を案内したりすることも普通にありました」
この男性が働いていた店は上述の「ポイント制」を採用しており、カラオケに遊びに行く店外デートや、一緒にディズニーランドへ行く権利などが与えられていたという。
メンコンにハマる女性の客層についても、完全に“狙い打ち”であるという。
「20歳前後くらいのお客さんが多いかな。店に来る女の子は“地雷系”が多いから、必然的にキャストもウルフカットとか化粧がっつりの、地雷系ファッションの男性が多いですよ」
地雷系とは黒やピンクを基調とした服装に身を包んだ若者を指し、メンタルが不安定な“メンヘラっぽさ”が特徴である。地雷系の女性たちは店の男性キャストに“メンケア”(メンタルケア)を求めるという。Twitterでも「メンケアの自信あるよって人DM遠慮なくしてください」「メンケアできるメンコンの担当ください」といったツイートが散見される。
そんなメンコンにはまって推しに貢ぐために売春していた女性の実態については、こんな証言がある。「私の友人は20歳を超えているので風俗店という選択肢もあったんですが『店だと時間が固定だけど、立ちんぼなら客も選べるし“テク”さえあれば30分で終わって割がいい。同じ時間で倍稼げる』と言っていました」メンコンはホストクラブよりも銀行のウケがいい? さらにメンコン急増のあまり語られていない背景として、開業ハードルの低さもあるという。「メンコンはホストクラブと違って内装にかかるお金も安いし、あと飲食店で登録を出すことで銀行の融資が受けやすいとかそんな理由もあるみたいです」(前出・メンコンの元キャスト男性) 大手銀行で飲食店などへの融資を担当する男性は、次のように話す。「一般論として、やはり飲食店の方が風俗店よりも融資のハードルは低いです。それはどの銀行でも一緒でしょう。貸す側も事業の公共性を見ていますし、そもそも風俗営業だとお金の流れが不明瞭なところも多く、そうなると融資は厳しい。『飲食店』ということでお金を借りた方が金利も低くなりやすいですしね」40万円のシャンパンを買わせ「払わなければ実家に行く」と脅したキャストも しかし実際は、2023年だけでも、多くのメンコンが警察沙汰になっているという実態もある。 2月には、飲食店の営業許可しか受けていないにもかかわらず、客と同席して談笑したり酒を提供したりする接待行為をしたとして、歌舞伎町の店の経営者と店長が風営法違反容疑で逮捕。 4月には、SNSで知り合った16歳の女子高校生を未成年と知りながら深夜に入店させたとして、歌舞伎町の別のメンコンの店長と男性キャストが風営法違反の疑いで摘発されている。キャストは、1本40万円に設定したシャンパンを買わせ、「支払わなければ実家に行く」などと脅し、女子高校生に25万円ほどを支払わせたという。 このほか、メンコンで働く男性が、未成年に対してわいせつな行為をしたとして、東京都青少年健全育成条例違反の疑いで逮捕される事案も発生している。「女性にとっても、ホストクラブよりメンコンの方が入りやすいんですよね。それは働く方も一緒で、普通の大学生がバイト感覚でゆるく働くこともできる。win-winなんですよ(笑)。だからメンコンが増えるのは当然だと思いますね」(前出・メンコンの元キャスト男性) 作り込んだ世界観の中で非日常を味わわせてくれるリーズナブルな店舗も確かに存在するが、「推し活」にのめり込む未成年に付けこんで高額な請求をふっかける店舗があるのも事実。警視庁は未成年がパパ活や援助交際による犯罪に巻き込まれないよう注意を呼び掛けている。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
そんなメンコンにはまって推しに貢ぐために売春していた女性の実態については、こんな証言がある。
「私の友人は20歳を超えているので風俗店という選択肢もあったんですが『店だと時間が固定だけど、立ちんぼなら客も選べるし“テク”さえあれば30分で終わって割がいい。同じ時間で倍稼げる』と言っていました」
さらにメンコン急増のあまり語られていない背景として、開業ハードルの低さもあるという。
「メンコンはホストクラブと違って内装にかかるお金も安いし、あと飲食店で登録を出すことで銀行の融資が受けやすいとかそんな理由もあるみたいです」(前出・メンコンの元キャスト男性)
大手銀行で飲食店などへの融資を担当する男性は、次のように話す。「一般論として、やはり飲食店の方が風俗店よりも融資のハードルは低いです。それはどの銀行でも一緒でしょう。貸す側も事業の公共性を見ていますし、そもそも風俗営業だとお金の流れが不明瞭なところも多く、そうなると融資は厳しい。『飲食店』ということでお金を借りた方が金利も低くなりやすいですしね」40万円のシャンパンを買わせ「払わなければ実家に行く」と脅したキャストも しかし実際は、2023年だけでも、多くのメンコンが警察沙汰になっているという実態もある。 2月には、飲食店の営業許可しか受けていないにもかかわらず、客と同席して談笑したり酒を提供したりする接待行為をしたとして、歌舞伎町の店の経営者と店長が風営法違反容疑で逮捕。 4月には、SNSで知り合った16歳の女子高校生を未成年と知りながら深夜に入店させたとして、歌舞伎町の別のメンコンの店長と男性キャストが風営法違反の疑いで摘発されている。キャストは、1本40万円に設定したシャンパンを買わせ、「支払わなければ実家に行く」などと脅し、女子高校生に25万円ほどを支払わせたという。 このほか、メンコンで働く男性が、未成年に対してわいせつな行為をしたとして、東京都青少年健全育成条例違反の疑いで逮捕される事案も発生している。「女性にとっても、ホストクラブよりメンコンの方が入りやすいんですよね。それは働く方も一緒で、普通の大学生がバイト感覚でゆるく働くこともできる。win-winなんですよ(笑)。だからメンコンが増えるのは当然だと思いますね」(前出・メンコンの元キャスト男性) 作り込んだ世界観の中で非日常を味わわせてくれるリーズナブルな店舗も確かに存在するが、「推し活」にのめり込む未成年に付けこんで高額な請求をふっかける店舗があるのも事実。警視庁は未成年がパパ活や援助交際による犯罪に巻き込まれないよう注意を呼び掛けている。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
大手銀行で飲食店などへの融資を担当する男性は、次のように話す。
「一般論として、やはり飲食店の方が風俗店よりも融資のハードルは低いです。それはどの銀行でも一緒でしょう。貸す側も事業の公共性を見ていますし、そもそも風俗営業だとお金の流れが不明瞭なところも多く、そうなると融資は厳しい。『飲食店』ということでお金を借りた方が金利も低くなりやすいですしね」
しかし実際は、2023年だけでも、多くのメンコンが警察沙汰になっているという実態もある。
2月には、飲食店の営業許可しか受けていないにもかかわらず、客と同席して談笑したり酒を提供したりする接待行為をしたとして、歌舞伎町の店の経営者と店長が風営法違反容疑で逮捕。
4月には、SNSで知り合った16歳の女子高校生を未成年と知りながら深夜に入店させたとして、歌舞伎町の別のメンコンの店長と男性キャストが風営法違反の疑いで摘発されている。キャストは、1本40万円に設定したシャンパンを買わせ、「支払わなければ実家に行く」などと脅し、女子高校生に25万円ほどを支払わせたという。
このほか、メンコンで働く男性が、未成年に対してわいせつな行為をしたとして、東京都青少年健全育成条例違反の疑いで逮捕される事案も発生している。
「女性にとっても、ホストクラブよりメンコンの方が入りやすいんですよね。それは働く方も一緒で、普通の大学生がバイト感覚でゆるく働くこともできる。win-winなんですよ(笑)。だからメンコンが増えるのは当然だと思いますね」(前出・メンコンの元キャスト男性) 作り込んだ世界観の中で非日常を味わわせてくれるリーズナブルな店舗も確かに存在するが、「推し活」にのめり込む未成年に付けこんで高額な請求をふっかける店舗があるのも事実。警視庁は未成年がパパ活や援助交際による犯罪に巻き込まれないよう注意を呼び掛けている。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「女性にとっても、ホストクラブよりメンコンの方が入りやすいんですよね。それは働く方も一緒で、普通の大学生がバイト感覚でゆるく働くこともできる。win-winなんですよ(笑)。だからメンコンが増えるのは当然だと思いますね」(前出・メンコンの元キャスト男性)
作り込んだ世界観の中で非日常を味わわせてくれるリーズナブルな店舗も確かに存在するが、「推し活」にのめり込む未成年に付けこんで高額な請求をふっかける店舗があるのも事実。警視庁は未成年がパパ活や援助交際による犯罪に巻き込まれないよう注意を呼び掛けている。
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))